研究概要 |
前年度に引き続いて,5つの研究グル-プが密接な連携の下でDNSデ-タベ-スの構築のために研究を行った。具体的な研究成果は以下の通りである。 空気,液体金属のチャネル乱流の熱伝達および種々のプラントル数波に対する一様減衰乱流中の熱輸送のDNSを行い,各々のデ-タベ-スを構築した。これらのデ-タベ-スの解析から,乱流熱輸送機構や秩序構造の役割についての詳細な知見を得た。(笠木) (1)正方形断面管内乱流,(2)内状路をもつ溝乱流,(3)円形乱流噴流のデ-タベ-ス構築のためのコ-ド作成を行った。(1)は差分法とスペクトル法の併用,(2)は直角座標系から変形した斜交曲線座標系による差分法,(3)は完全一般斜交曲線座標系によっている。(1),(2)はなお検討中であるが,(3)はほぼ完成に至り,現在検定作業を行っている。(三宅) DNSの標準手法である各種スペクトル法(ガラ-キ-ン,タウ,選点法)の精度比較およびエイリアス誤差除去法の検討を行なった。その知見を基に一様剪断乱流のDNSを行い,初期等方場から一様剪断の影響によって変遷する乱流統計量を求めてデ-タベ-ス化した。(長野) 反応発熱が無視できる場合を対象として,濃度をパッシブスカラ-として取り扱った反応性一様等方乱流および反応性乱流混合層のDNSを行い,前者については平均濃度,変動濃度の輸送方程式の収支など,後者については乱流強度,生成物濃度分布,変動濃度などのデ-タベ-スの作成を行った。(長崎) Influence Matrix(IM)法の適用を検討した。チャネル流DNSにおいて,従来用いられてきた方法との合性を検証し,伝熱も含めたデ-タベ-スを生成した。さらに,IM法を矩形管内流DNSへ適用し,ヘルムホルツ方程式の2次元チェビシェフ多項式展開による解法として,行列対角化法を採用し,丸め誤法の累積を防止する方法,ス-パ-コンピュ-タ向きアルゴリズムを検討した。(堀内)
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