研究分担者 |
渡辺 治 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80158617)
安浦 寛人 京都大学, 工学部, 助教授 (80135540)
梅尾 博司 大阪電気通信大学, 教授 (80132356)
五十嵐 善英 群馬大学, 工学部, 教授 (60006260)
浅野 孝夫 上智大学, 工学部, 助教授 (90124544)
|
研究概要 |
平成2年5月より,数度の研究打ち合せ会を行い,強力な研究体制を組織した.同時に,離散構造を処理するアルゴリズムについて種々の観点から調査・検討を行い,その上で9月に仙台にて全体的な研究発表会を行った.その発表と活発な討論によって,現在のアルゴリズムの限界や新しいアルゴリズム論に関する知見を得るに至った.特に並列・分散アルゴリズムに関して現状の調査・検討が重点的に行われ,新しいアルゴリズムの設計のための土台が築かれた. 1.網目結合並列計算機は,規則正しい単純なグリッド構造を持つためVLSI化に適している.しかしこの計算機モデル上のいかなるアルゴリズムもプロセッサ配列の通信直径に比例した時間を必要とする.そこで網目結合に第2の通信路として共通グロ-バル・バスを備えたブロ-ドキャスト計算機が提案されている.本研究ではその計算機モデルの上のアルゴリズムを整理し,またモデルの能力の限界を明らかにした. 2.網目結合計算機上で幾何学的問題を効率良く解く並列アルゴリズムを与えた.再帰曲線(シェルピンスキ-曲線やヒルベルト曲線)を認識する問題と平面上の長方形図形を圧縮する問題を扱った. 3.N個のプロセッサからなるネットワ-クにおいて,情報源プロセッサから他の全てのプロセッサに情報を〓logN〓時間でブロ-ドキャストする手法を与えた.この手法を用いると1個のプロセッサが故障している場合でも〓logN〓+1時間でブロ-ドキャストを終了する.いずれに要する時間も下界になっており,最適な手法である. 4.平面上のN点と角度θ及び自然数bが与えられたときに,傾きがθの等間隔のb+1本の直線で,与えられたN個の点をできるだけ均一に分割するO((n^2+bn)logN)時間のアルゴリズムを与えた.
|