研究分担者 |
渡辺 敏正 広島大学, 工学部, 助教授 (80112184)
平田 富夫 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10144205)
萩原 兼一 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00133140)
加藤 直樹 神戸商科大学, 管理科学科, 教授 (40145826)
今井 浩 東京大学, 理学部, 助教授 (80183010)
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研究概要 |
初年度には離散構造を処理するアルゴリズムについて種々の観点から調査・検討を行った.これにより現在のアルゴリズムの限界や新しいアルゴリズム論に関する知見を得るに至った.特に並列・分散アルゴリズムに関して現状の調査・検討が行われ,新しいアルゴリズムの設計のための土台が築かれた.さらに,最終年度には,前年において得られた研究成果を土台として,総合的見地から種々の新しいアルゴリズムを設計解析した.現在から将来に向け有用となる近似・確率・並列・分散・ハ-ドウェアアルゴリズムに関する新しい知見を得るに至った.さらに計算理論に関する成果も種々得られた.代表的な成果を以下に示す. 1.VLSIのレイアウト設計における重要な問題に一つに回路分割問題があり,これまでに様々なアルゴリズムが提案されてきている.本研究では回路を構成するモジュ-ルの集合とネットリストが与えられたとき,モジュ-ル集合を2分割して左右の部分の面積をほぼ等しくし,かつ両方の部分に跨る配線の本数を最小にする問題に関するアルゴリズムを与えた.グラフの表現に基づいた方法と平面上の点集合に写像した上で点集合の2分割問題を解く方法を比較した.この結果はアルゴリズムを構成するときにグラフモデルと幾何モデルのいずれを用いるかを決定するために有用である. 2.NP完全問題などの複雑さの高い問題に対して,平均時間的には効率良く解くと主張されるアルゴリズムが数多く開発されている.それらの評価は通常解析的になされるが,実際的立場の研究者からは,実際に計算機実験によっても行われるべきだとの指摘がある.本研究では充足可能性問題に対するこのようなアルゴリズムの評価に用いるべき例題生成はいかにあるべきかについて調査・検討した.さらに,その要求を満足するような例題生成アルゴリズムが存在することを示した.
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