研究課題
総合研究(A)
本研究は、光制御型新光デバイスを実現するための基礎的知見を得ることを目的とし、デバイスの原型となる超高速変調素子および非線形光学素子の試作、基礎理論の確立、デバイス用極微構造結晶成長の研究を行い、以下の成果を得た。(1)デバイス用結晶成長:有機金属気相成長法を用いて光制御光デバイスに必要な量子細線、量子箱構造等の超微細量子井戸構造の作製を行った。材料を同時に供給する同時供給MOーMBE法を用いて、極微細な半導体結晶の原子層ごとのデジタル的な成長が可能となった。これらを基に複雑なデバイス構造に対応し得る結晶成長、デバイス形成の為の基礎技術を確立した。(分担:末松、古屋、川西、南日)。(2)デバイスの試作及び基礎理論:超高速光制御型光デバイスの基礎となる、半導体量子井戸構造を用いた光非線形素子、量子井戸のサブバンド間遷移を用いた光制御光変調素子、集積形光スイッチ・光変調器等の試作及び、電界による量子マイクロ共振器からの自然放出光の制御を利用した発光素子の提案を行い(分担:末松、伊賀、神戸、山西、荒井、佐々木、山本)、その基礎特性を評価すると共に、動作特性を理論的に明らかにした。(分担:藤井、山田、上林、浅田)。(3)デバイスの動特性:試作した光制御型光デバイスの動特性を理論的に明らかにし、またこれらのデバイスの超高速動作を達成するために解決すべき問題点を、理論・実験の両面より明らかにした。(分担:末田、伊藤、大津)。また、これらの研究によって得られたデバイスに関して、大容量超高速の通信・情報処理システムに適したデバイス動作および構造を検討し、デバイス構造及び特性の最適化を行うと共に、これらのデバイスの高密度集積化の可能性及びそれによって生じるデバイス間の相互干渉などの問題点を明らかにした。
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