研究分担者 |
中武 一明 九州大学, 工学部, 教授 (70037761)
茂里 一紘 広島大学, 工学部, 教授 (90011171)
仲渡 道夫 広島大学, 工学部, 教授 (20034324)
山口 一 東京大学, 工学部, 助教授 (20166622)
梶谷 尚 東京大学, 工学部, 教授 (80010693)
|
研究概要 |
1.差分法による粘性流計算,揚力体理論によるポテンシャル流計算の比較のため、アスペクト比3,楕円平面形,NACA0012翼断面,迎角10゚という条件を選定した。この条件では、揚力線理論・揚力面理論とも近似による誤差が大きくなるため、上記計算法の比較に適当である。 2.東大グル-プ,広大グル-プは、差分法による粘性流計算を行った。低レイノルズ数(1000)の層流計算を行った。これは、乱流モデルを導入せず、計算法そのものの直接的比較を狙ったためである。翼端渦が、翼上下面の境界層を起源とする2つのcoreを持つこと、翼下流に流れ出た渦層が翼端側にrollーupして行くことなど、定性的に正しい結果が得られた。特に翼端渦が2つのcoreを持つことは、数値計算の高い空間解像度により、初めて明瞭に示された。なお、粘性のため、揚力係数は3.の揚力体理論に基づくポテンシャル流計算のものの1/2程度になった。東大グル-プは、キャビテ-ションを伴う計算も行った。キャビティが大きくなると、翼端渦の作用のため翼端側のキャビティが長くなるとともに、揚力の低下により翼端渦が弱くなること、キャビティの下流では攪乱のため後流幅が広がることなど、実験的事実と定性的に一致する結果が得られた。 3.九大グル-プは、揚力体理論に基づくポテンシャル流計算を行った。スパン方向に20分割したパネル法により計算した。断面揚力係数及び圧力分布がスパン方向にほとんど変化しないという楕円翼特有の性質が計算された。特に翼端付近で、翼上面では流れが内側に向かい、翼下面では外側に向かって翼端渦を形成している。揚力係数は0.557と、揚力線理論によるものの約85%になった。なお、計算結果同士及び実験結果との定量的比較は、来年度行う。
|