研究課題/領域番号 |
02302054
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
船舶抵抗・運動性能・計画
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 洋治 東京大学, 工学部, 教授 (00010695)
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研究分担者 |
中武 一明 九州大学, 工学部, 教授 (70037761)
茂里 一紘 広島大学, 工学部, 教授 (90011171)
仲渡 道夫 広島大学, 工学部, 教授 (20034324)
山口 一 東京大学, 工学部, 助教授 (20166622)
梶谷 尚 東京大学, 工学部, 教授 (80010693)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 三次元翼 / 差分法 / 揚力体理論 / キャビテ-ション / 自由表面 / 翼端渦 / CFD |
研究概要 |
本研究で得られた成果をまとめると、以下の様になる。 1.揚力体理論によるポテンシャル流計算は、翼面に大きな剥離が存在しないような場合には、揚・抗力,圧力分布とも実験のものに非常に近い結果を与える。しかし、翼面に大きな剥離が存在すると実験とは全く異なる結果を与える、翼面境界層と翼端渦の関わりなどの流れの詳細を議論できない、等の本質的な問題点がある。 2.1,000という低いレイノルズ数ではあるが、種々の条件の差分法計算を行い、流れ場の特徴を議論・考察した。また、適宜、実験結果との比較を行い、その問題点と将来の方向を明らかにした。 3.自由表面下に没水した翼の計算が行えた。翼による造波、自由表面影響による揚力の低下が示された。 4.翼端渦は、翼上下面のそれぞれの堺界層に起因する2つの渦核より構成されることが計算された。このことが、実験において観測されるツイストするリボン状の翼端渦キャビテ-ションの原因である。また、翼端渦のrollーupや翼端渦separationも計算された。 5.キャビテ-ション状態の計算も行った。計算された翼面上キャビティの形状は、定性的には、実験と一致した。特に、キャビティが大きくなると翼端付近のキャビティが大きくなるのは、翼端渦による圧力低下のためであることが、計算結果の詳細な検討により示された。 6.測定された翼端渦の渦核の半径は最大翼弦長の1%程度と非常に小さく、回転方向の最大流速は一様流速の6割強と大きなものであった。実験レベルの高レイノルズ数の差分計算を行い、さらに翼端渦の詳細を議論するためには、乱流モデルの導入の他にも、複合格子法の採用や何らかの翼端渦のモデル化を検討する必要があろう。
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