研究課題
9月と2月に研究集会を大阪に於て開催し、閉鎖性内湾あるいは湖の規模、作用外力と密度成層構造との関連性について十分な討論を行い、研究方針の統一化を話し合った。各分担者の課題別成果は以下に示す通りである。1.淀川洪水流の三次元数値実験を行い、地球自転と成層効果の影響を明らかにするとともに、coastal jetの動力学特性を考察した。2.沿岸水域における放流水調査時の媒介選定が拡散域評価に及ぼす影響を明らかにする観点から、人工衛星デ-タを解析するプログラムを構築し、2・3の水域について解析を行った。3.湾口防波堤が湾内の海水交換に及ぼす影響を潮汐残差流による水平循環流と密度流による鉛直循環流の観点から検討した。4.大阪湾の流動特性、とくに恒流特性に及ぼす密度流の影響を三次元密度流数値実験から明らかにした。5.東京湾で観測される青潮の発生機構を解明するために、吹送密度流の水理実験を行い、風外力と成層度とを説明因子として成層界面での混合現象と閉鎖性水域における密度流の流動特性を明らかにした。6.成層破壊過程に現れる界面波の現地観測を行い、その形状因子を考慮した水温鉛直分布モデルを浮力流束や拡散係数と関連づけた。その結果、成層時の拡散係数の分布を求めた。7.成層場での熱対流による乱流輸送現象を乱流モデルを用いた数値解析から検討し、熱対流の相対強度や分子拡散性の影響を分析した。8.灘ー海峡系における流動と物質輸送の新たなコンセプトの確立を図り、このコンセプトにより、閉鎖性内湾における水質、底質、海底地形(堆積層厚)等の分布の統一的な説明の可能性を検討した。
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