研究課題/領域番号 |
02302070
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 和広 京都大学, 工学部, 教授 (40025838)
|
研究分担者 |
文 世一 東北大学, 応用情報学研究センター, 助手 (40192736)
屋井 鉄雄 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10182289)
山本 幸司 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00026337)
木俣 昇 金沢大学, 工学部, 教授 (30026166)
小林 潔司 鳥取大学, 工学部, 助教授 (50115846)
|
キーワード | 地域計画 / 地域モデル / 投資効果 / モデル分析 / 土地利用モデル / 地域経済 |
研究概要 |
本研究では、地域基盤施設の整備効果を把握するために開発されてきた地域モデルを、その投資効果波及メカニズムの考え方という点から総合的にレビュ-し、各モデルの適用性を明らかにすることを目的としている。 本年度は、投資効果の概念の整理とモデルの一般的な特徴の分析を行った。 1.地域経済循環から見た地域基盤整備の投資効果の概念整理 地方財政活動が直接雇用機会の提供や地域需要の創出の面で地域経済循環を支える大きな役割を担っていることが明らかになった。そこで投資効果の波及する経路と範囲に着目して、投資効果に関する概念を事業効果と財政効果に分けて整理した。また、公共部門と民間部門との役割分担という視点に着目して、契約理論に基づくモデル分析手法を開発した。 2.地域経済・土地利用・交通モデルの収集と分類 地域整備計画に用いられている各種のモデルを収集した。地域経済の不均衡局面による整備効果の違いを表現できるような不均衡モデルや、経済主体の行動を同定できるLISRELモデルの適用範囲が広いことを指摘した。 3.モデルの数理構造の分析 モデルが内包している規範性・循環性・乗数性・因果律などの構造を整理した。簡単な数値計算から、簡単なモデル構造でも循環性があると複雑な動的挙動を示すことを確認した。 4.モデルの推定法の整理 モデル構造が異なる場合、地域市場の不完全性や不均衡状態を考慮した推定方法を用いる必要がある。そこで不均衡モデルと空間相互作用モデルについて推定法の開発を行った。 平成3年度は大都市圏と地方圏を取り上げて、それぞれの地域の特徴に合わせてモデルをどのように変更すべきかを検討する予定である。
|