研究課題/領域番号 |
02302073
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
望月 重 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (90061481)
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研究分担者 |
松井 育弘 東京理科大学, 工学部, 教授 (30138979)
槙谷 栄次 関東学院大学, 工学部, 教授 (00064080)
永坂 具也 東海大学, 工学部, 教授
小谷 俊介 東京大学, 工学部, 助教授 (30133101)
今井 弘 筑波大学, 構造工学系, 助教授 (90134212)
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キーワード | 摩擦効果 / だぼ効果 / すべり強度 / すべり変形 / プレキャスト構造 |
研究概要 |
本年度の研究は、プレキャスト構造の接合部の力学的及び工法的諸因子に基づく、耐力及び変形性能を実験から把握する事が主となった。以下、研究実積の概要を述べる。 接合部性能実験 1.コッタ-無しのせん断実験では、だぼ効果による摩擦効果の解明が行われた。その結果、(1)接合面に付着がない場合は、垂直圧縮力の有無に関わらず、最大耐力はだぼ強度のみに支配される。だぼ強度は接合コンクリ-ト巾に影響されない。(2)接合面に付着がある場合は、だぼ強度は、接合筋比に比例し、接合コンクリ-ト巾に反比例して増加する。 2.曲げせん断実験では、垂直圧縮力とシアスパン比をパラメ-タとして行われた。その結果、(1)接合面のすべり変形の全体変形に対する割合は、シアスパン比が大きくなるに従って減少する。(2)シアスパン比が比較的小さい場合では、曲げ降伏に前後してすべりが生じるが、すべり強度は、直接せん断の場合の値よりも小さく、曲げモ-メントの存在により低下する。 部材接合部性能実験 梁端部曲げせん断実験のだぼ効果をとった実験では、引張鉄筋比、シアスパン比をパラメ-タとして、せん断力ーすべり関係に着目して行われた。その結果、プレキャスト梁は一体打ち梁に比べて、接合面のすべりが早期に生じ、その伸展割合も著しい。降伏後に正負載荷を経験すると、低荷重域ですべりを生じるといえる。 構造物耐震性能解析 プレキャスト鉄筋コンクリ-ト構造物において、最大地震応答が設定された構造物に、許容できる塑性率に収めるのに必要な水平耐力が検討された。その結果、地震動が与えられるものとし、系の損傷に伴って周期が遅くなる効果、地震動の卓越周期、系の周期、許容塑性率などを考慮した設計用地震応答スペクトルを作成する方法が提案できた。
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