研究分担者 |
持田 徹 北海道大学, 工学部, 助教授 (40002050)
横山 真太郎 北海道大学, 工学部, 助教授 (90002279)
窪田 英樹 室蘭工業大学, 教授 (90002930)
宮田 紀元 千葉大学, 工学部, 教授 (20219786)
永田 忠彦 福井大学, 工学部, 教授 (50020178)
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研究概要 |
完全に密閉された閉鎖空間における人間の生理的,心理的反応と環境因子との関係を明らかにするために必要な基本的研究と実験および調査を行った。その内容と成果は次のとおりである。 (1)空気質環境と適応性;実験室を改修してクリ-ンル-ムを製作し、在室者密度に関する実験を行った。混雑強度,認容性不快度などの5項目からなる主観評価と顔面皮膚温度,心拍数などの生理的評価を行った結果、在室者密度の生体機能の評価指標としては、顔面皮膚温度の初期値低下度や心拍間隔の分散値が有効であること,生理的評価と主観評価の両面から、相互既知の青年男子の椅座位での精神作業空間としては在室者密度が一人当たり1.9m^2程度を下限と考えられることが分かった。炭酸ガスなどの空気質の濃度と認容性との間には相関が見られなかった。(落藤,横山,溝口) (2)温熱環境と適応性;快適性に関する実験は、裸体と着衣の両条件下で、温度,湿度,気流の3要素を組合わせて行い、新しい快適線図を作成した。また、生理反応と心理反応が異なることを示した。(堀越)暑熱環境に関する実験では、等皮膚温度が湿り空気線図上で上に凸の曲線となり、従来のET^*とは異なり、より実際の人体反応に近い評価尺度が得られた。(持田) (3)自然(の具象化)環境と適応性;気流刺激に関する基礎実験を行い、気流の強弱感,明瞭感,温冷感の相関を明らかにした。特に快適感を流速と額からの放熱量との関数で表された。(窪田)また、緑や植栽の効果について広範な調査を行い、隔絶感や開放感,安らぎに対し効果的であることを示した。(佐々木) (4)視環境と適応性;視覚心理的にみた必要最小限の容積とその閉鎖感緩和要因の定量的解明について第一段階の実験を行った。(永田)また、閉鎖空間の心理的大きさ,視覚空間の視覚的刺激量の概念モデルを新しく構築した。(宮田) (5)熱物質収支と制御;大深度地下空間の環境を予測するための地盤の熱収支プログラムを開発した。(長野)
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