研究分担者 |
山下 康男 佐賀県有明水産試験場, 場長
石橋 信義 佐賀大学, 農学部, 教授 (30039333)
飯盛 喜代春 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50039244)
瀬口 昌洋 佐賀大学, 農学部, 助教授 (20093974)
加藤 治 佐賀大学, 農学部, 教授 (40038295)
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研究概要 |
平成3年度の研究によって得られた主な知見の概要を要約すると、次のようになる。 1.海底付近の流速デ-タ及びSS濃度の鉛直分布より、底泥の巻き上げ率が推算された。そして、底泥の巻き上げ率とSSの平均浮流量、さらにはReynolds応力との間には、類似した経時変化が見いだされた。また、海底セン断応力と底泥の巻き上げ率との間の関連性が安式化された。 2.有明海奥部干潟域における海水の主要化学成分は、流入河川(主に筑後川と六角川)の影響を強く受け、その濃度は降雨後急激に低下した。また、窒素酸化物も主要化学成分とほぼ同様な変動傾向を示した。 3.ポルフィリン骨格にpーニトロベンジル基を導入したpーニトロベンジルー5,15,15,20ー(テトラキスー4ースルフォナトフェニル)ポルフィリンを合成し、ポルフィリン自身の吸収スペクトルと金属イオンスペクトルとの重なりの問題を解決することにより、微量銅イオンの選択定量法を確立した。 4.大授がらみ(ムツゴロウ非生息地)では年間を通じて2,000〜3,000匹/土壌50gの線虫の密度が推持されたが、六角川河口(ムツゴロウ生息地)では11月から急減し、1、2月には200〜300匹の密度となった。線虫種類数は生息地で41種、非生息地で43種、また両地点の共通種は43種、さらに特異種はそれぞれ1種及び2種であった。 5.約1年間にわたる調査の結果、六角川河口干潟域では天候、気温、泥温、潮位とムツゴロウの出現頻度との相関性が高かった。一方、高地盤高千潟域における二枚貝(アゲマキ)の稚貝量は、潮流に伴う浮泥堆積量の消長と密接に関係していた。
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