研究分担者 |
田中 通義 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (90004291)
山本 昭二 無機材質研究所, 第11研究グループ, 主任研究官
平賀 賢二 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30005912)
松本 〓生 金沢大学, 理学部, 教授 (20019467)
小川 泰 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10025364)
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研究概要 |
平成3年度の研究計画では、(1)各種物質(インコメンシュレ-ト相、準結晶、非晶質物質等)の構造の研究、(2)構造の特性・物性と次元拡張の要因の検討、(3)高次元における対称性の研究を目指した。 (1)のインコメンシュレ-ト相としてはCa_2CoSi_2O_7、Bi系の酸化物高温超伝導体、チタン酸ジルコニウム等の構造が明らかにされる一方、インコメンシュレ-ト相とかゝわりのある複合結晶の解析用のコンピュ-タプログラムが開発された。また収束電子回折法による千次元空間群の決定法が確立された。準結晶の構造では、高分解能電子顕微鏡法によるAlーNiーCo、AlーCuーCo系の準結晶の構造の解明、X線回折法では同じくAlーCoーNi系、AlーCuーLi系の構造の解折が行われた。非晶質物質の構造では、Ca(Mg,M)(Si,Al)_2O_6(M=Mn,Fe,Co,Ni)系ガラスの構造中の遷移金属元素の配位状態がX線回折法およびEXAFS法で解明された。また液体の構造では各種アルコ-ルー水系の構造研究がX線小角散乱法を用いて行われ、各種ゆらぎを求めるための方法の定式化と上記物質への適用が行われた。 (2)の範ちゅうの研究では、グラフ測地線という新しい概念が提出され、それを用いて準結晶等の非周期物質に関連の深い各種ペンロ-ズ図形に内在する規則性の研究が行われた。これは準結晶に内在する規則性の研究に有力な手段と考えられる。 (3)では特別結晶軌道(NCO)の研究、楕円体のパッキングの性質の研究、結晶点群の統計に関する研究が行われた。これ等とより高次元の対称性との関連は今後に発展すべき問題である。 以上の他に平成4年2月に本総合研究の第2回研究会が開催された。この研究会では分担者の研究発表の他に、変調構造の若手研究者を国内からひろく集め活発な発表、討論が行われた。変調構造に関するこの集まりは、国内では初めてのものである。
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