研究分担者 |
岩本 正和 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (10108342)
山添 昇 九州大学, 総合理工学部, 教授 (40037817)
乾 智行 京都大学, 工学部, 教授 (60025989)
吉田 郷弘 京都大学, 工学部, 教授 (00025933)
御園生 誠 東京大学, 工学部, 教授 (20011059)
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研究概要 |
触媒として多用される複合酸化物の表面機能の向上とその原理を中心に,前年度に引続き研究を進めてきた。主な成果は次のとおりである。 新しいシ-ライ系複合酸化物を開発し,従来困難とされてきた,プロパンの直接酸化およびアンモ酸化によるアクロレインおよびアクリロニトリルの合成に成功した(諸岡)。環境に有害な窒素酸化物を分解する新触媒プロセスを開発し,その反応機構を明らかにした(岩本,乾)。酸化触媒として多用される五酸化バナジウムの表面構造を明らかにし,さらにn-ブタンを選択的に無水マレイン酸に酸素酸化する触媒系を開発した(吉田,山添)。低温,低圧でアンモニアを合成できるルテニウム触媒で,窒素および水素分子と表面の相互作用を赤外分光により詳細に検討した(秋鹿)。S_nO_2の半導性を利用して可燃性がを検出するセンサ-を開発し,その機能原理を解明して性能を大巾に向上させることに成功した(山添)。チタノシリケ-ト触媒の型状特性を利用し,特定の構造をもつアルコ-ルのみ選択的に酸化する触媒系を開発した(辰巳)。各種ヘテロポリ化合物の触媒特性を総合的に検討し,多くの新しい触媒反応への適合性を明らかにした(御園生)。酸水素反応の燃料電池を触媒反応と組合せて,一段でベニゼンからフェノ-ルを合成する新反応を発見した(大塚)。酸素の拡散膜を利用し,選択的なメタンの酸化カップリングによるC_2炭化水素の合成に成功した(藤元)。層状化合物を利用した新触媒により,水の光分解反応の効率を飛躍的に増加させた(堂免)。ゼオライトに担持した銅触媒の窒素酸化物分解機構を,詳細に検討した(安保)。 上記のごとく,酸化物の触媒作用を中心に,その機能の向上を目的とした多くの新しい知見を得ることができた。
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