研究課題/領域番号 |
02303013
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 浩一郎 京都大学, 工学部, 教授 (80025890)
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研究分担者 |
笛野 高之 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029387)
服部 忠 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50023172)
野村 浩康 名古屋大学, 工学部, 教授 (50023081)
中辻 博 京都大学, 工学部, 教授 (90026211)
佐田 栄三 京都大学, 工学部, 教授 (60023024)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 分子工学 / 分子設計 / 分子集団設計 / 計算機シミュレーション |
研究概要 |
本研究は分子レベルの取り扱いを工学に導入するという分子工学の手法の化学工学の諸問題への応用の体系化の確立を目的として発足した。各分担者の作業としては、各自に研究を中心として、分子化学工学的な研究の典型例をまとめることに重点がおかれた。この研究が実施された過去3年の間にも全国の工学系大学院の高度化を目標とする改革の動きは大きく且つ急速であり、その中で「分子化学工学科」を名乗る新しい学科(改組・再編によるのが主)が、主要な大学にも発足したが本研究はそのような動向を先取りしたものといえる。本年度は最終年度にあたるので、3年間の研究成果について総括すると次のようになる。(1)基礎として量子化学計算と分子シミュレーションの研究があり、前者では表面-分子相互作用系の計算と反応経路解析で独自のモデルによる理論的取り扱いが成果を挙げ、一方後者では、モデル流体の分子シミュレーションによる状態方程式及び関連する熱力学量の計算スキームの確立が試みられた。(2)物性の問題は化学工学の基礎であり、これに分子レベルの手法を一層導入することは重要である。相平衡については、ギブズアンサンブル・モンテカルロ法による相平衡、特に気液相平衡の計算、輸送物性については、特に熱伝導率についての実験的手法の進歩が報告された。この他ヒドロゲルの相転移の理論的解析は国際会議の招待講演で評価を得た。(3)材料、特に機能性材料に関連しては分子化学工学の手法は貢献が大きいはずである。本研究でも、手法としてのCVD、材料としてのポリマー、セラミックにおける気体透過・メルト物性などが研究された。(4)その他の応用研究としては、抗原-抗体相互作用、触媒の分子論についての高度な研究が行われた。これらの詳細は別編の成果報告書にゆずる。尚、「分子化学工学」の教育に関する討論も併せ行われたが、近い将来、学部修士課程レベルでの教科書をまとめる計画が実現されるであろう。
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