研究分担者 |
濱田 康正 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (90117846)
米光 宰 北海道大学, 薬学部, 教授 (60001038)
川添 豊 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (80106252)
池上 四郎 帝京大学, 薬学部, 教授 (10119555)
荒田 洋治 東京大学, 薬学部, 教授 (40011499)
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研究概要 |
本研究の目的は,生理活性物質の効率的合成法を開発すると同時に,生理活性物質の活性発現に必須の構造を究明し,それらを基盤として生物の営みを明らかにし,さらに進んで人間にとって有用な生理活性物質を創製せんとするものである。本年度は昨年度に引続き,1)生理活性ペプチドの合成と作用発現構造の究明,2)糖,マクロリド等の新規合成法の開拓と作用発現構造の究明,3)循環器,中枢,癌を対象にした薬物の創製,4)物理化学的手法による活性発現構造の究明の4つの研究課題にしぼり,16名の研究者が各プロジェクトにわかれて,相互に緊密な連絡,協力を行いながら,それぞれ独自の研究を強力に推進した。 まずペプチドグル-プでは,効率的合成の完成した抗腫瘍性ペプチドラスタチン10の構造と活性の相関が検討され,またテオネラマイドFのフラグメント合成が行われた。またHIVプロテア-ゼに対する阻害剤が分子設計され,一方耐熱性エンテロトキシンについて引き続き分子構造の精密化が行われ,また種々の神経ペプチドの構造活性相関が検討された。糖,マクロリドグル-プでは,糖水酸基の新規保護方法が開発され,また不斉ディ-ルスアルダ-反応を活用するショウドマイシンの合成が行われた。その他種々の生理活性天然物の集約的キラル合成法が開発されると同時に,ポリエ-テル糸抗生物質リソセンの全合成が達成された。薬物創製グル-プでは,循環器疾患治療薬の合成を目指して新規素反応が開発される一方,MAO阻害活性成分の活性発現に関する構造的要因が検討され,また抗癌薬ブレオマイシンの作用強化にポリアクリル酸の有効なことが見出された。最後に物理化学グル-プは,免疫グロブリン分子のデザインを目指し,抗原結合部位を有機化学反応の場として統一的に整理する努力がなされ,抗腫瘍マクロライドスウィンボライドAの立体配座と活性発現との相関が検討された。
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