研究課題/領域番号 |
02304005
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
和田 敬四郎 金沢大学, 理学部, 教授 (70028174)
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研究分担者 |
村田 紀夫 基礎生物学研究所, 教授 (90011569)
大山 莞爾 京都大学, 農学部, 教授 (40135546)
佐々木 幸子 京都大学, 農学部, 助手 (00026519)
遠山 益 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (20017213)
赤沢 尭 名古屋大学, 農学部, 教授 (20023400)
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キーワード | プラスチド / 葉緑体 / クロモプラスト / アミロプラスト / イソタンパク質 / アデニレ-ト・トランスロケ-タ- / DNAのメチル化 |
研究概要 |
太陽光エネルギ-を利用した植物の有機物生産の場である葉緑体と同一の起源体であるプラスチド(クロモプラスト、アミロプラスト、プロプラスチド、エチオプラスト等)がどのように形成され、どのような制御の違いによって、これらプラスチドの発現機構が異なるのか、分子生物学的に捉らえようという目的でスタ-トしている。 今年度は平成2年10月20日(土)、名古屋大学農学部に全員集合し、プラスチド単離のワ-クショップを開き、各分担者がこれまで行って来た研究に基礎を置き、世界のプラスチド研究の動向を参考に今後の方針を出し合って討議した。 2月末での今年度の研究成果を集約した。その結果、研究は実施計画に掲げられた4点に沿って順調に進められている。各プラスチド間でのDNAの同一性はほぼ固まりつつあり、プラスチド変換の形態的研究もプロトプラストの培養による新しい方法によって、より簡便に進められる可能性が生れた。また、各種のプラスチドに共通して存在する核ゲノム由来のイソタンパク質の消長はプラスチドのそれと連動することもタンパク質レベルで確かめられ、今後、遺伝子レベルでのその制御メカニズムの研究が期待される。特筆すべきは、(1)アミロプラスト内包膜に局在するアデニレ-ト・トランスロケ-タ-が証明され、ADPーグルコ-スの取り込みとデンプン生合成の関係が詳細に研究できる見通しであること、(2)プラスチド内の不明遺伝子の1つ<Zfp A>___ー(Zinc fingermotifをもつ)の発現は光りに依存しない、constitutiveなもので、葉緑体のみならず、他のプラスチドでも常に発現していること、(3)遺伝子発現のプラスチドにおける差はDNAのメチル化によると示唆されて来たが、それは転写開始の阻害であり、プロモ-タ-領域の塩基のメチル化であること、(4)葉緑体のイソタンパク質の詳細な解明から、植物組織間、または複合体間でイソタンパク質の構成は均一なものでなく“イソ複合体"すら存在する可能性が出て来たことなどである。
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