研究分担者 |
山崎 健一 名古屋大学, 農学部, 助手 (40182480)
内宮 博文 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (50142229)
町田 泰則 名古屋大学, 理学部, 教授 (80175596)
中村 研三 名古屋大学, 農学部, 教授 (80164292)
南川 隆雄 東京都立大学, 理学部, 教授 (30087001)
|
研究概要 |
各研究担当者がこれまで取り扱って来ている植物の遺伝子について,その転写制御に関わるシスエレメントとそれに特異的に結合する核タンパク質の研究を班員相互に技術・情報交換を積極的に行ないつつ推進した結果,3年間において以下のような成果をあげることができた。 ナタマメのカナバリン遺伝子について,主要なシス領域は-745までに存在すること,及びその下流に結合するタンパク質を同定した(南川)。サツマイモのスポラミンおよびβ-アミラーゼ遺伝子の5'上流域に共通に結合する核タンパク質SP8を見出した。また,後者の遺伝子の-800域に結合するタンパク質はコムギ転写因子HBP-16と類似のものであることが示された(中村)。オーキシンで発現が促進されるタバコpar遺伝子の-1679までの中に,この遺伝子が根毛,根端及び発熟過程の種子で特異的に発現するシス領域が存在することが示された。さらにこのシス領域には発現を正と負に制御するエレメントも存在した,また,-50〜-100にはタバコ転写因子TGA-1aが結合した(町田)。コムギ・ヒストンH3遺伝子の転写の細胞周期のS期特異性を規定するシス領域がおおよそ同定された。さらに,そのシス領域のうちのヘキサマー配列に結合するタンパク質HBP-1a及びHBP-1bの構造と機能を両因子のcDNAを用いて解析し,それらが転写制御因子であることを明らかにした(岩渕)。また,両因子の遺伝子のクローン化にも成功し,その構造解析も進行中である(中山)。RiプラスミドのrolC遺伝子のプロモーター領域に結合するタンパク質の多様性が示された(内宮)。また,エンドウ葉緑体遺伝子の転写因子(zfpA)がzinc finger構造を持つことが明らかとなった(佐々木)。CaMV遺伝子プロモーターの小麦胚芽抽出液を用いた転写系において,鋳型が超らせん構造の時,高い転写活性を示した(山崎)。細胞性粘菌の細胞分化における胞子細胞特異的遺伝子Cp87,Sp96)のシス領域とDNaseI感受性領域を決定した(竹内)。
|