研究課題/領域番号 |
02304008
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物形態・分類学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河野 昭一 京都大学, 理学部, 教授 (30019244)
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研究分担者 |
梯 正之 広島大学, 医学部, 助手 (80177344)
井上 健 信州大学, 教養学部, 助教授 (40176425)
大原 雅 北海道大学, 農学部, 助手 (90194274)
巖佐 庸 九州大学, 理学部, 教授 (70176535)
矢原 撤一 東京大学, 教養学部, 助教授 (90158048)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 部分的自殖 / 他殖 / 植物の交配システム / 繁殖投資 / 性表現 / obligate inbreeder / facultative inbreeder / sex allocation |
研究概要 |
被子植物の交配システムには眞性他殖、部分的他殖性(または自殖性)、眞性自殖性の3タイプが知られているが、その進化機構を解明するための理論的並びに野外研究、実験的研究を行った。 1.植物の自殖率の進化に影響する要因については、すでにさまざまな集団遺伝理論モデル、LandeーSchemーskeモデルなどが提出されている。それらの検証するための理論的、実験的研究の結果、中間的繁殖戦略は必ずしも進化的に安定ではないことが指摘されていたが、中間的自殖率が進化的に安定な領域の存在についても、再検討された。資源分配・投資の観点からabortionの機構のはたしている役割、近交弱勢、他殖の遺伝的コスト、自殖率の集団平均がともに変化する場合の自殖率の進化機構についても検討された。 2.野外集団の交配システムの分化、外交配率の推定、雄雌への繁殖投資などの集団分化の具体例は、ホタルブクロ、オオバナノエンレイソウ、カタバミ、タツナミソウなどで具体的に解析された。また、花器形態と性機能との関係、近縁種間における交雑親和性などに関する問題は、ノマアザミ、ツワブキ、カンツワブキなどで調べられた。 3.開放花、閉鎖花による種子繁殖機構の役割と、これらの機構を制御する環境要因との関係は、キッコウハグマ、ホソバハグマ、センボンヤリなどのキク科植物の自然集団並びに野外集団において詳細に研究された。 4.被子植物の自殖システムとの比較として、シダ植物ハナヤスリ科のScepteridiumにおいても詳細な野外集団の解析がなされた。 これらすべての成果をもとに自殖機構のはたす繁殖体生産システムとその進化の仕組みが論議された。
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