研究課題/領域番号 |
02304010
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
山上 健次郎 上智大学, 理工学部, 教授 (50011474)
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研究分担者 |
横沢 英良 北海道大学, 薬学部, 教授 (90012765)
野村 晃司 東京都, 老人総合研究所, 主人研究員 (30073026)
井内 一郎 上智大学, 理工学部, 助教授 (10011694)
星 元紀 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)
福島 和 (灰野 和) 東京都立大学, 理学部, 助手 (70087138)
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キーワード | 受精 / 孵化 / 卵(黄)膜ライシン / 孵化酵素 / プロテオソ-ム / 卵膜 / 受精膜 / タンパク質の構造 |
研究概要 |
本研究班の目的は(1)非酵素性ライシンと酵素性ライシンの精製とその卵膜解機構,(2)代表的動物種の孵化酵素の精製とその卵膜溶解機構,および(3)これらの基質となる卵膜の構造を明らかにすることである。 (1)に関しては以下の研究が行われた。まずバティラのライシンを含む二、三の非酵素性ライシンのCDNA分析を行い、推定アミノ酸配列の比較が試みられた。特にヘリックスやベ-タ構造などの立体構造の面に着目して解析が進められている。一方、ホヤの酵素性ライシンの精製を行い、種々の酵素学的およびタンパク化学的性質から、多機能プロテア-ゼであるプロテオソ-ムの一種ではないかと考えられてきている。 (2)バフンウニおよびツガルウニの孵化酵素の構製を行っている。特に,後者は可成の精製が進み、Redーagaroseクロマトグラフィ-により、約52Kの酵素タンパク質が精製されている。メダカ孵化酵素(HCE及びLCE)については、それぞれに特異的な抗体を用いて発生過程における生成を調べると同時に,単離分泌顆粒における両者の共存を明らかにした・又、両酵素のCDNAのクロ-ニングを行い、その構造解析を行っている。更に、マウス孵化酵素の分泌場所の同定や精製を行う為に、8細胞期胚のCDNAライブラリ-からトリプシンとの共通プロ-グを使ってクロ-ンを選別した所、シグナルペプチダ-ゼと98%の相同性を持つクロ-ンが得られておりこれを分析中である。 (3)ライシンや孵化酵素の基質となる卵膜の構造を調べる為、ウニ受精膜の孵化酵素による切断部位の構造を調べている。コラゲナ-ゼと類似して疎水性アミノ酸基側を切断する傾向があることがわかってきた。メダカ卵膜タンパク質の前駆体と考えられる従来の49KのSF物質以外に、その2倍前後の分子量を持つSF物質群が見出された。両者の構造を調べ、卵膜構造を明らかにしたい。
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