研究分担者 |
増田 俊明 静岡大学, 理学部, 助手 (30126164)
小松 正幸 愛媛大学, 理学部, 教授 (00018665)
嶋本 利彦 東京大学, 地震研究所, 助教授 (20112170)
櫻井 康博 広島大学, 理学部, 助手 (80205814)
宇井 啓高 富山大学, 教育学部, 教授 (20022642)
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研究概要 |
プレ-ト・テクトニクスの20年余りにわたる展開があって今日クラスタルダイナミクスの解析が最重要課題の一つとなっている。クラスタルダイナミクスは地殻を構成する地質体の変形論的運動の体系の意である。地殻を構成する地質体の変形論的運動の諸相が、造構体系論的位置を考慮して解析され、その情報の総合・体系化を通して,クラスタルダイナミクスは捉えられる。日本列島のような島弧あるいは活動大陸縁辺のクラスタルダイナミクスの研究においては、その構成地質体の主体をなす花崗岩質岩の変形論的解析は最重要なものである。日本列島を見る限り花崗岩質岩の変形の最も主要な様式はマイロナイトの形成に関わるものである。このような論理的背景に立って,次の様に日本列島各地の花崗岩マイロナイトの研究が計画され,研究が進められた。しかし、本年度は10月に本科学研究費の交付が決定されたため,きわめて残念なことではあるが,研究は始まったばかりである。 阿武隈畑川・双葉・棚倉構造線群にそうマイロナイトの野外における観察,試料採集,飛騨帯船津花崗岩マイロナイトの野外における観察試料採集,領家帯南縁中央構造線にそうマイロナイト及び領家帯内部の各地のマイロナイトの野外観察と試料採集。各地のマイロナイト帯で、内部構造の決定と運動像(シア-・センス)の決定,形成時の物理的条件の決定のための変形鉱物の分析(変成相解析)が進められた。マイロナイトを構成する鉱物、特に、石英・カリ長石・斜長石の顕微鏡組織,格子定向配列の解析、配列様式から優勢すべり系の決定が進められた。石英の変形において活動した優勢すべり系と物理的条件の関係の解析が進められた。電子顕微鏡による鉱物の変形組織の解析に適する試料の選択を進めた。
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