研究分担者 |
兵藤 宏 靜岡大学, 農学部, 教授 (40023452)
邨田 卓夫 靜岡大学, 農学部, 教授 (80022044)
茶珍 和雄 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (60081519)
土田 広信 神戸大学, 農学部, 教授 (60031184)
稲葉 昭次 岡山大学, 農学部, 教授 (90046491)
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研究概要 |
1.文献の統計的解析による適正流通条件の設定:前年に引続き文献上から適正環境要因を読み取り,環境要因を独立変数,品貭保持性を從属変数として,両者の関係の重回帰分析による多変量解について検討を行った。具体的に,トマトについて18例の文献から商品限界日数(Y),流通温度(T℃),包装有無(P)を抽出し,重回帰分析を行った結果,前年の結果をやや修正した次の推定式を得た。 Y=I 2.22085T-0.14959T^2+0.00244T^3+6.132(P有1,無0)-0.71532I この式の説明率は79%であり,流通日数ごとに適正温度の推定が可能である。これは一つのモデルであり,同一手法で他の種々の青果物についても解析が可能である。 2.シミュレ-ション解析:前年度に実施した市場流通の実態調査を参考にしながら,各環境要因ごとに問題点の基礎研究を行い,次のような新知見を得た。(1)落下,切断などの物理的刺激による呼吸上昇やエチレン生成は,青果物の種類によって異なり,この点から音果物の分類が可能である。(2)高濃度CO_2による呼吸調節は,代謝の特定部位の調節に起因するとは考えられず,從って高濃度CO_2の鮮度保持効果は呼吸抑制のみによるとは考えにくい。(3)レタスの予冷とポリアミン含量との関係を調べたところ,予冷によってプトレシンが増加した後貯蔵中に減少したが,非予冷品では貯蔵中に増加の傾向がみられる。(4)高温とトマトの着色との関係をみると,30℃で着色不十分,35℃では黄色になるが,これは主として高温のリコピン含量への影響に起因する。(5)予冷後の品温変化は比表面積に支配され,重量あたりの表面積が大きいと品温変化が激しく,小さいと品温変化はゆるやかである。 3.2年間の成果から,流通技術の評価と適正条件の提言につき討議中。
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