研究課題/領域番号 |
02304021
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石塚 潤爾 九州大学, 農学部, 教授 (20193336)
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研究分担者 |
東 四郎 鹿児島大学, 理学部, 教授 (60041216)
山本 幸男 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (40022561)
田島 茂行 香川大学, 農学部, 助教授 (50116894)
藤田 耕之輔 広島大学, 生物生産学部, 教授 (90002170)
有馬 泰紘 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90011973)
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キーワード | ダイズ根粒菌 / nod遺伝子 / グルコサミンテトラサッカライド / フラボノイド化合物 / カ-リング / nodulin遺伝子 / ウリカ-ゼ / クロ-ニング |
研究概要 |
ダイズ根粒菌の宿主特異性やダイズの根粒菌株の選択の生理的遺伝的な機構が検討され、Rj_4ダイズ品種の種子から親和性菌株Isー1を特異的に凝集し、その増殖を促進するフコ-スレクチンが分離された。ダイズ根粒菌には、GTIとGTIIの2系統あり、栽培種には主に前者が根粒を着生し、これはnod遺伝子およびその産物であるグルコサミンテトラサッカライドの構造の相違によるものと推定した。さらに、発芽ダイズ種子の分泌物で、nod遺伝子の発現に係わるとされている2種類のフラボノイド化合物の存在を確認した。根粒形成および窒素固定能発現に及ぼす要因が検討され、硝酸が短時間で窒素固定を抑制するのは、ニトロシルレグヘモグロビンが生成されるためであるが、それはダイズ、カウピ-のようにSlow grower菌の根粒で認められるが,エンドウのようなFast growerの根粒では認められなかった。硝酸の茎葉への移行が夜間に多く、ウレイドの移行方向は上方のみであることが明かとなり、莢を切除することにより窒素のシンク能を低下させると、窒素固定能も低下するが、これは根粒の糖濃度がむしろ上昇することなどから推して、窒素同化過程と関連した現象であると推定した。根粒菌感染時にみられる根毛のカ-リングは2、4D処理によっても起こり、その際細胞壁分解酵素活性の増大を伴うことから、細胞壁分解酵素処理したところ、カ-リングが認められた。共生系の成立と窒素固定能発現機構については根粒形成初期に発現する数種のnodulin遺伝子をクロ-ニングし、その塩基配列を決定、組織内の分布と生理的役割を明らかにした。nodulinの一種である根粒ウリカ-ゼとダイズ胚乳ウリカ-ゼについて、その遺伝子をクロ-ニングし、比較したところ、塩基配列は完全に一致した。R.FrediiにR.trifoliiのnod geneを挿入したところ、ダイズ、クロバ-双方に根粒を形成するようになったが、ダイズでは抑制が見られ、双方のnod geneが互いに干渉しあうことが暗示された。
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