研究課題/領域番号 |
02304025
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮澤 啓輔 広島大学, 生物生産学部, 教授 (20034457)
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研究分担者 |
尾上 義夫 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (10160920)
西尾 幸郎 四国女子大学, 家政学部, 助教授 (00122557)
成田 弘子 静岡県環境衛生センター, 主幹
清水 潮 広島大学, 生物生産学部, 教授 (30101083)
野口 玉雄 東京大学, 農学部, 講師 (40011910)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | フグ毒 / テトロドトキシン / フグ毒保有動物 / 毒化機構 / テトロドン酸様物質 |
研究概要 |
フグ毒(tetrodotoxin,TTX)の動物界における分布はマフグ科魚類に限られていたが、その後、軟体動物の頭足類、巻貝類、ヒトデ、オウギガニ科のカニ、扁形動物、紐形動物等に広がり、またこれらTTX保有動物の消化管に生息する細菌類がTTXの一次生産者であること等が相次いで発見された。しかしTTXの動物界における分布は不規則で、その毒化機構、代謝経路、存在意義等も不明な点が多い。このような背景のもとに本研究ではTTX保有動物の毒化機構解明のため、保有動物、産生菌、環境の三者間におけるTTXの動態を調べ、また生体内におけるTTX関連物質のTTXへの変換を検討した。またこのためTTX関連関質の微量機器分析法の開発も企画した。 1)紐形動物ホソヒモムシCephalothrix linearisから生体内のTTX前駆体と考えられるテトロドン酸様物質を単離し、これが容易にTTXに変換すること、かなり多数のTTX保有動物に存在すること、比毒性が700MU/mgであること、分子量がTTXより1大きい320であること等を明らかにした。2)スベスベマンジュウガニからTTXの2量体でその前駆体と考えられる未知成分(分子量663)を分離した。3)これらTTX関連未知成分の単離と構造解明のため、LC/FAB MS,GC/MS等の微量分析法を開発した。4)深海(太平洋、水深4000m)の堆積と淡水湖沼から新たにTTX産生能をもつ細菌と放線菌を分離した。また16S rRNAの塩基配列によりTTX産生菌の分類を行った。5)TTX産生菌Vibrio alginolyticusは食塩濃度3%、25℃で最大TTX産生能を示した。6)瀬戸内海におけるTTXの分布を調べた結果、TTX保有動物の生息地の底質土と湾央部の底生動物、底質土、浮遊生物の一部にTTXを検出した。7)東支那海産の節足動物コシマガニ等と南九州産の扁形動物ヒラムシ類に新たにTTX関連物質を検出した。
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