研究課題/領域番号 |
02304028
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川島 良治 京都大学, 農学部, 教授 (50026382)
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研究分担者 |
松井 徹 島根大学, 農学部, 助手 (40181680)
北川 政幸 山口大学, 農学部, 助手 (00144923)
原田 宏 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90041061)
矢野 秀雄 京都大学, 農学部, 助教授 (20026587)
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キーワード | ビタミンA / 脂肪交雑 / 肉質 / 牛 / ラット |
研究概要 |
ビタミンA栄養状態と肉牛の増体、枝肉形質との関係を和牛去勢牛20頭、ホルスタイン種去勢牛30頭を用いて調べた。測定項目は増体能力、体高、胸囲、肥育度指数、枝肉の重量、歩留り、ロ-ス芯面積、肉色、脂肪交雑、脂肪色、血液中および肝臓中のビタミンA含量であった。平均と殺前体重は和牛で659Kg、ホルスタイン種牛で713Kgであった。血液および肝臓中のビタミンA含量は和牛において22.5±12.8ug/100mlと7.6±10.5ug/gであったのに対してホルスタイン種牛では39.5±7.0ug/100mlと89.2±65.5ug/gとなり、和牛の血液中のビタミンA濃度はホルスタイン種牛のそれの半量近く、さらに和牛の肝臓中のビタミンA含量はホルスタイン種牛のそれの1/10以下の値となった。また明かなビタミンA欠乏の指標とされる1ug/g以下の肝臓中ビタミンA含量の牛は和牛で45%にもなった。これは肥育農家においてホルスタイン種牛にはビタミンAの正常な飼料を与えているが、和牛には枝肉形質改善のためにビタミンAを含んでいないかあるいは量の少ない飼料を与えている結果と考えられた。牛のビタミンA栄養状態と枝肉形質の関係では肝臓中のビタミンA含量と脂肪交雑(BMS)の間には和牛では有意な負の相関が見られたがホルスタイン種牛では有意な相関はなかった。また和牛では血漿中のビタミンA含量と肉色(BCS)の間には有意な正の相関が存在した。試験に用いた牛の頭数が少ないのでまだ断定的なことは言えないが興味のある結果が得られている。ラット36匹を用いてビタミンA欠乏飼料と対照飼料を与え、ビタミンA欠乏が増体、肉質、脂質に及ぼす影響を調べる試験を行った。増体には両区間に差は見られなかったが、試験開始後16週間でビタミンA欠乏区の肝臓中ビタミンA含量は対照区の1/6以下の値となった。またビタミンA欠乏区のラットは対照区のラットと比べ胸腰最長筋の脂肪の含有量がやや高い傾向であった。
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