研究課題/領域番号 |
02304029
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 英司 東京大学, 農学部, 教授 (50183439)
|
研究分担者 |
岡崎 克則 東京農工大学, 農学部, 助手 (90160663)
畔高 政行 東京大学, 農学部, 助手 (10134503)
原澤 亮 東京大学, 医学部, 助教授 (70159101)
石崎 良太郎 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (00112970)
清水 悠紀臣 北海道大学, 獣医学部, 教授 (80206218)
|
キーワード | ネコヘルペスウイルス1型 / イヌヘルペスウイルス / ウマヘルペスウイルス1型 / ウシヘルペスウイルス1型 / 免疫原性 / 糖蛋白 / 単クロ-ン抗体 / 抗原相同性 |
研究概要 |
本研究の目的は、各種動物ヘルペスウイルスの構成糖蛋白の機能に関して特にその中の免疫原性を占める部分の検索を、ウイルス間にみられる相同性を利用し、おもに分子生物学的方法により総合的な比較研究を行うことにある。本年度はネコヘルペスウイルス1型(FHVー1)及びイヌヘルペスウイルス(CHV)に対する単クロ-ン抗体を用いて糖蛋白の抗原解析と両者の抗原相同性の検索を行った。さらにウマヘルペスウイルスとヒトヘルペスウイルスの単純ヘルペスウイルスの抗原相同性、ウシヘルペスウイルス1型の糖蛋白gIIIの細胞への吸着機序について検討した。本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1.単クロ-ン抗体を用いた抗原解析の結果、FHVー1の構成主要免疫原性糖蛋白は、143/108kDa、113kDa及び60kDaで、CHVでは145/112kDa、80kDa及び47kDaであることが明らかにされた。両ウイルス間の抗原相同性を検索した結果、FHVー1のgp143/108とCHVのgp145/112、FHVー1のgp60(HA蛋白)とCHVのgp47(HA蛋白)の間に抗原相同性がみられた。このことにより、相同性を利用したFHVー1とCHVの糖蛋白の遺伝子同定の可能性が示唆された。 2.ウマヘルペスウイルスαの1型(EHVー1)でわが国の分離株について、ヒトヘルペスウイルスαの単純ヘルペスウイルス1型(HSVー1)のgBに相同性のある遺伝子をクロ-ニングして塩基配列を決定した。その結果、3562bpの塩基配列においてHSVー1と80%の相同性がみられた。 3.ウシヘルペスウイルス1型(BHVー1)の主要糖蛋白であるgIIIの細胞への吸着機序を検討し、gIIIの特定の抗原領域が細胞表面上のヘパリン様物質に結合し、感染を開始することを明らかにした。
|