研究分担者 |
松浦 善治 国立予防衛生研究所, 研究員 (50157252)
川喜田 正夫 東京大学, 教養学部, 教授 (00012740)
小沼 操 北海道大学, 獣医学部, 教授 (70109510)
喜田 宏 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10109506)
永井 美之 名古屋大学, 医学部, 教授 (20022874)
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研究概要 |
本研究はニュ-カッスル病ウイルス(NDV)の生態と病原性を総合的に解明することを目的とする。本年度は病原性に深く関るNDVのヘモアグルチニンーノイラミニダ-ゼ蛋白(HN)をコ-ドする遺伝子をリコンビナントワクチニアウイルス(rVV),リコンビナント鶏痘ウイルス(rFPV)およびバキユロウイルス(BV)に挿入し,発現HNの生物性状,免疫原性などを重点的に検討し,以下の成績を得た。 1)。NDVのHNを発現するrVVを作出し,NDV感染防御におけるHNの役割を検討した。8×10^6PFUの生rVVを接種した鶏は,すべて強毒NDVによる致死的撃に耐過した。一方同量の不活化rVVを接種した鶏は,同様の攻撃により死亡した。攻撃耐過鶏はHNに対する抗体産生が攻撃前あるいは攻撃後に認められたのに対して,非耐過鶏では認められなかった。これらの成績は,NDVのHNに対する免疫応答のみで鶏はNDV感染から防御されることを示唆する。 2)。FPVのチミジンキナ-ゼ遺伝子内に外来遺伝子を挿入するためのトランスファ-プラスミドを構築した。また,このプラスミドを用いて,VV由来のプロモ-タ-P.7.5制御下にNDVのHNを発現するrFPVを作出した。このrFPVはNDVのHNに特異的なウイルス中和活性のある単クロ-ン性抗体と反応し,SDSーPAGE上でNDV HNとほぼ同じ移動度を示すHNを産生した。 3)。NDV宮寺株のHNをコ-ドするcDNAを組み込んだBVは感染細胞表面にHNを発現した。このrHNはSDSーPAGE上でNDV感染細胞で発現するHNと同じ移動度を示し,ツニカマイシン処理により,そのアミノ酸配列から予想される分子量とほぼ同じ大きさとなった。rHNは,赤血球吸着活性およびノイラミニダ-ゼ活性を保持していた。またrHNは鶏に感染防御能を誘導した。
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