研究課題/領域番号 |
02304035
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
佐藤 清美 弘前大学, 医学部, 教授 (50006079)
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研究分担者 |
東 胤昭 大阪大学, 医学部, 助教授 (50028304)
渡部 烈 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00057316)
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
勝沼 信彦 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (50035375)
村松 正實 東京大学, 医学部, 教授 (10035454)
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キーワード | グルタチオン / グルタチオン Sートランスフェラ-ゼ / システインプロテアーゼインヒビター / 過酸化脂質 / 生体防御 / 細胞傷害 / 酸化還元 / 輸送機構 |
研究概要 |
佐藤はラット肝(前)癌のマ-カ-酵素、GSTーPのSH基修飾剤や活性酸素による不活性化に係わるシスティン残基を、変異組み換え体GSTーPを用いて明らかにした。村松はGSTーP遺伝子上流の制御領域、とくにサイレンサ-に働く転写因子をクロ-ニングし、同定した。勝沼はシステインプロテア-ゼインヒビタ-であるCystatinβが分泌顆粒に局在することを明らかにし、リソゾ-ムへ輸送される細胞内移行のプロセスについて検討を進めている。谷口はrーglutamyltranspeptidase(rーGTP)cDNAをCos細胞に導入、タンパクを発現させ、rーGTPを構成する2つのサブユニットのプロセシングの機構を明らかにしつつある。渡部は癌原性ヒドロキシメチルアレ-ン硫酸エステルを解毒するGST分子種(GST YrsーYrs)のcDNAをクロ-ニングし、その一次構造を明らかにした。東は、発癌抵抗性ラットでは、発癌剤3'ーMeーDABの活性化(3'ーメチル基の酸化)が抑制され、一方、解毒に係わる酵素活性の上昇を認めた。井上は、GSHの臓器間(肝、腎、腸)輸送機構を明らかにしてきたが、輸送の過程でGSHが血管機能の制御に係わる可能性を指摘した。近藤は、GSH抱合体とGSSGの輸送機構を赤血球膜、肝細胞膜、人工膜で検討し、その生化学的状を明らかにしつつある。高橋は血漿グルタチオンペルオキシダ-ゼがNorthern blotの結果からラット腎で合成され、細胞膜のphospholipid hydroperoxideの還元に係わることを示した。坂内は培養細胞のグルタチオンレベルが前駆体アミノ酸であるシスティン・シスチンの取り込みに依存し、過酸化水素を負荷すると、シスチンの取り込みが上昇することを明らかにした。熊谷は酵母の2つのGST分子種(Yー1、Yー2)のうち、Yー2のcDNAをクロ-ニングし、その一次構造を明らかにした。このように分担研究者の多くが遺伝子・分子レベルでの解明に成果をあげつつある。
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