研究課題/領域番号 |
02304035
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 京都大学 (1992) 弘前大学 (1990-1991) |
研究代表者 |
熊谷 英彦 京都大学, 農学部, 教授 (70027192)
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研究分担者 |
東 胤昭 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (50028304)
渡部 烈 東京薬科大学, 教授 (00057316)
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
勝沼 信彦 徳島文理大学, 健康科学研究所, 教授 (50035375)
村松 正實 埼玉医科大学, 教授 (10035454)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | グルタチオン / グルタチオンS-トランスフェラーゼ / システインプロテアーゼインヒビター / 過酸化脂質 / 生体防御 / 細胞傷害 / 酸化環元 / 輸送機構 |
研究概要 |
熊谷は酵母のグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)のcDNAと、大腸菌のγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)の遺伝子をクローニングし、これらの塩基配列を決定した。村松はラット肝化学発癌過程で発現するGST-P遺伝子の構造を解析し、エンハンサー(GPEI)とサイレンサーを明らかにするとともにこれらに作用する転写因子を同定した。佐藤と土田はGST-Pが活性酸素の消去やカタラーゼなどの発現を抑制することを見い出した。さらに、過酸化水素による不活性化に係わるシスティン残基を同定した。渡部は新しいクラスを構成するGST分子種を精製し、そのcDNAをクローニングし塩基配列を決定した。谷口はLECラットでのγ-GTPの発現がDNAの低メチルによること、さらにヒト同酵素の活性発現に107位のアルギニンと108位のグルタミン酸が重要であることを解明した。高橋は血漿グルタチオンペルオキシダーゼが血漿中や細胞膜で生成したリン脂質の過酸化物を環元することを明らかにした。勝沼はシスタチンβがグルタチオンと混合ジスルフィドを形成するとカテプシンと結合できず阻害活性を失うこと、細胞内の酸化型グルタチオンの増加に伴い不活性型シスタチンが増加することを明らかにした。東はラットの交配により肝化学発癌に抵抗性を示す系統を確立し、これらラット肝でGSTのある種の分子種が増加することを認めた。井上は、GSHの臓器間輸送の過程で、GSHが血管に作用し、血液循環の制御に重要な役割を演じていることを明らかにした。近藤は、ヒト白血病細胞K562でシスプラチンがグルタチオン抱合を受け、グルタチオンS-抱合体の膜輸送系により細胞外へ排出されることを明らかにした。坂内は、マクロファージや血管内皮細胞などでのグルタチオンレベルの維持にシスチン輸送系が重要であり、種々のストレスに伴いシスチン輸送活性が誘導されることを明らかにした。
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