研究課題/領域番号 |
02304046
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉矢 生人 大阪大学, 医学部, 教授 (80028505)
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研究分担者 |
坂西 信映 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 講師 (90126227)
多治見 公高 帝京大学, 医学部, 講師 (20101727)
平澤 博之 千葉大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80114320)
田勢 長一郎 福島県立医科大学, 講師 (40137005)
吉成 道夫 東北大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00004937)
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キーワード | APACHEーII / 救急部 / 集中治療部 / 重症度 / 予後 |
研究概要 |
1.昨年度は、APACHEー2スコア(AS)を用い、わが国の救急部・集中治療部収容患者を対象にその重症度評価を行った。その結果、ASは有用であったが欠点もあることがわかった。そこで今年度は、ASに肝機能障害の指標を加えたAPACHEーHスコア(AH)を考察し、AHによって重症度評価を行ってその有用性をASと比較した。肝機能障害の指標には動脈血中ケトン体比(AKBR)、OSMOLALITY GAP(OG)、プロトロンビン時間(PT)、ヘパプラスチン時間(HT)を選んだ。 2.各分担研究者が検討した結果は次のごとくであった。 (1)AKBRはASとよく相関する(2)OGはASとよく相関する。(3)MOF(多臓器不全)患者ではASよりもAHの方が予後をよく反映する。(4)スコアにより行って「生死の予測」と「実際の生死」が一致しない「誤分類率」はASよりもAHを用いた方が低かった。 これらはAHの有用性を認める結果であったが、一方で (5)AKBR・OG・PT・HTに付けるACUTE PHYSIOLOGY SCOREの点数には問題がある。(6)ASに比べてAHが特に優れているとは言えない。などとする結果もみられた。 また、問題点として、(1)AKBRはどの施設においても容易に行える検査ではないのでOGのみを採用した方が簡便である。(2)DIC(汎発性血管内血液凝固症)がある場合にはPTやHTが必ずしも肝機能備害を反映しない。などとの指摘もあった。 3.今年度の研究から得られた結論は次のごとくである。 (1)重症度を正確に評価するための指標としてAHはASと同等もしくはその以上である。(2)敗血症患者やMOF患者ではASよりもAHの方が重症度を的確に評価できる。(3)AKBRの測定は必ずしも容易でなく簡便性においてAHはASに劣る面がある
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