研究課題/領域番号 |
02304048
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣瀬 肇 東京大学, 医学部(医), 教授 (80010031)
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研究分担者 |
舩坂 宗太郎 東京医科大学, 耳鼻咽喉科, 教授 (70009968)
平野 実 久留米大学, 医学部, 教授 (60080868)
永渕 正昭 東北大学, 教育学部, 教授 (60004107)
小池 靖夫 徳島大学, 医学部, 教授 (30026918)
桐谷 滋 東京大学, 医学部, 教授 (90010032)
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キーワード | 音声障害 / 聴覚障害 / 失語症 / 構音障害 / コミュニケ-ション代行装置 / パソコンによる訓練システム |
研究概要 |
本年度はリハビリテ-ション支援システムの高度化について次の各項目別に具体的提案ないし検討を行った。 1.音声障害:診断規準の合理化を重視し、とくに基礎的側面として嗄声の評価記録法、ストロボスコピ-の評価規準などについて指針を明らかにした。また喉頭摘出者の代用音声の問題を整理し、なかでもシャント発声における支援システムの高度化について提案を行った。 2.補聴:語音地図による補聴効果評価の追跡調査を行って異聴傾向からみた質的評価が補聴効果についての満足度と相関が高いことを見いだし、異聴の分析、表記によって最適な補聴器選択がえられることを示唆した。また感音難聴者のための音声加工、とくに非線形振幅処理を検討し、デジタル処理による補聴の高度化についての指針を明らかにした。さらに人工内耳の適応と評価に関連して人工内耳装用患者の音声言語聴取の実際を詳細に検討し,その現状と高度化について報告した。 3.失語症:各種の失語症の病態に関する詳細な検討を積み重ね、とくに読み書きの問題とそのリハビリテ-ション支援について考按した。さらに具体的な訓練、支援システムの足掛りとして仮名文字訓練法を提案し、また語彙訓練装置の試作を完成させた。 4.構音障害:その病態について総括的な考察を行ったのちリハビリテ-ション支援システムの検討を進めた。とくにモ-ラ指折り法の適応を検討した。また発話代行装置の高度化について考察を行った。 以上の成果を中心に講演会を開催し、その報告資料を広く国内の音声言語障害研究に関与する諸施設に配布し、本研究の主題に関する国内各組織の認識の向上を図った。今後は本研究の成果をもとにして、さらに成人音声言語障害のリハビリテ-ションプログラムの体系化に向けての研究の発展が望まれる。
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