研究分担者 |
前島 一淑 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (70051464)
波岡 茂郎 北海道大学, 獣医学部, 教授 (10002297)
竹内 啓 東京大学, 農学部, 教授 (90011874)
光岡 知足 日本獣医畜産大学, 食品工学科, 教授 (30157549)
小坂 二度見 岡山大学, 医学部, 教授 (00032847)
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研究概要 |
一端陰を潜めたかと思われた動物実験反対運動が再燃してきている。実験研究者の術後処置を問われた事件,実験動物技術者研究修会でのペット動物の使用等が問われた事件であった。また,我国から外国雑誌等への投稿リジェクト問題があるのも,実験動物の福祉の問題殊に動物の苦痛排除の考慮がなされているか否かが大きな焦点となっている.苦痛排除法としてその主流を占めるものに麻酔法がある。言うまでもなくヒトならびにイヌ,ネコ,ウマ,ウシ等の家畜については.ヒトの麻酔学や臨床獣医学領域において、すでに高い水準に違して完成されているが,マウス,ラット,モルモット等のげっ歯類における科学的麻酔法は.Flecknell P.A,,Soma L.R.,Lumb W.V.およびJones E.W.ら,および我々の研究があるに過ぎない。 このようなことから、この研究班の平成2年度の研究実績は、ヒトの麻酔学ならびに臨床獣医学領域で確立している麻酔法を実験動物学へ応用するに際して,倫理学的見地から検討を加え.各実験動物〔マウス・ラット(小林・倉林),モルモット・ハムスタ-(田村・谷藤),ウサギ(黒澤),ヒツジ・ヤギ・ブタ(竹内・木村)等〕に対し,ハンドリング,保定(固定)方法の検討,鎮静薬・鎮痛薬の前投薬の選択,麻酔薬(注射麻酔薬,吸入麻酔薬等)の選択ならびに薬用量の決定等の検討を行なった。 また,小実験動物ならびに中実験動物に対し最も安全な吸入麻酔ができる.小中実験動物吸入麻酔用電子制御式気化装置(Electronic control anesthetics vaporizing system:ECAVS)を開発した。本装置は質量流量計(TMFC)を内蔵しており.麻酔ガスならびに希釈ガスの精度が高い特徴があるので、実験動物福祉にも貢献できるものと思われる。 平成3年度は、本年度実績をより科学的な麻酔法確立を研究する。
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