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1990 年度 実績報告書

WBN/Kob ラットにおける胃・膵・眼疾患および糖尿病の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 02304061
研究機関日本医科大学

研究代表者

仲間 一雅  日本医科大学, 医学部, 助教授 (00097015)

研究分担者 相原 薫  日本医科大学, 医学部, 教授 (30060362)
杉崎 祐一  日本医科大学, 医学部, 助教授 (60089620)
高橋 和明  日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (50120762)
大橋 和史  日本医科大学, 医学部, 助教授 (80152221)
小堀 鴎一郎  東京大学, 医学部, 講師 (30110696)
キーワードWBN / Kob ラット / 慢性膵炎 / 糖尿病 / 腎糸球体 / 網膜外顆粒層細胞 / 血管内皮細胞
研究概要

1ヶ月齢から10ヶ月齢のWBN/Kob雄ラットについて、膵病変の初発現部位・時期、初期変化、進展経過の確認及びその他の主要臓器の組織学的変化の確認を主体として、光顕・電顕的に検索し、以下の成果を得た。
<膵内外分泌器官の検索>___ー:電顕的には1ヶ月齢から、光顕的には2ヶ月齢から初期変化と思われる所見を認め、毛細管・細静脈内皮細胞の配列異常、細胞質の内腔突出、血管周囲性浮腫を確認した。この病変は、胆管合流部付近の膵管周辺を初発現部位とし、加齢とともに脾臓側膵葉に進展、膵実質の炎症・変性壊死・線維化・萎縮の経過をとり、他の分葉もこれに追随し病変部が拡大していった。外分泌機能検査では、PFD試験及びCCK投与後の検索で、4ヶ月齢以後において酵素分泌能が低下することを認め、内分泌機能は血中インスリン値を検索し、対象ラットは10ヶ月齢でインスリン値の低下とovert diabetesの発現を確認した。<眼底網膜の変化>___ー:網膜内外顆粒層の検索で、外顆粒層細胞数が2ヶ月齢以後で漸次減少することを認めた。<腎臓の検索>___ー:8ヶ月齢以後において糸球体血管の透過性亢進を示す所見を認め、10ヶ月齢で尿細管上皮の変性を示し、一部のラットではArmanniーEbstein変化を伴った。<その他の臓器>___ー:心、肺、肝、下垂体前葉、副腎皮質の検索では、1〜3ヶ月齢で血管内皮細胞の脆弱化、透過性亢進を示す所見を一様に示していた。一連の膵病変経過後に発症するこのラットの糖尿病が膵性糖尿病のモデルとして注目されている。しかしその病態経過は必ずしも明確でなく、現在ヒトの膵疾患の自発性病態モデルが皆無であるところから、ヒト疾患に擬し得べく、このラット膵病変の発現機構の解明、モデルとしての確立を本研究の目的とした。本年度の研究で病因を示唆する知見が得られ、病態の前期経過が明確にされた。次年度は病因素因の究明と後期経過を明確にすることを主体に進める予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kazushi Ohashi et.al.: "WBN/Kob Rats:A New Spontaneously Occurring Model of Chronic Pancreatitis." International Journal of Pancreatology. 6. 231-247 (1990)

  • [文献書誌] 大橋 和史 他: "自然発症慢性炎モデルWBN/Kobラットの膵病変に対するメシル酸カモスタットとアロプリノ-ルの効果" 日本臨床薬理学会誌. 21. 215-216 (1990)

  • [文献書誌] 相原 薫 他: "WBN/Kobラットにおける構成組織の超微形態学的研究 1)各種組織の毛細血管の変化" 糖尿病動物(医薬ジャ-ナル社). 5. (1991)

  • [文献書誌] 大橋 和史 他: "自然発症慢性膵炎モデルWBN/Kobラットの膵病変に対する薬物の治療メカニズムの検討" 日本臨床薬理学会誌. 22. 11-12 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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