研究課題/領域番号 |
02304070
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
畠中 坦 帝京大学, 医学部・脳神経外科, 教授 (20082084)
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研究分担者 |
朝倉 哲彦 鹿児島大学, 医学部・脳神経外科, 教授 (30075254)
相沢 乙彦 武蔵工業大学, 原子力研究所, 教授 (70016848)
松本 圭蔵 徳島大学, 医学部・脳神経外科, 教授 (90033050)
神田 啓治 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (10027419)
竹内 啓 東京大学, 農学部・獣医外科, 教授 (90011874)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | がん / 中性子捕捉療法 / 硼素 / 脳腫瘍 / 肝癌 / メラノーマ / 骨肉腫 / 中性子 |
研究概要 |
脳腫瘍に対する硼素中性子捕捉療法はすでに26年間の長きにわたり行なわれ効果を上げている。従来は帝京大学を中心として行なわれてきたが平成2年度より京都大学ならびに徳島大学グループにおける臨床治療が京大炉(KUR)を用いて開始された。また日本原子力研究所研究炉JRR-2でも年間を通じて治療が可能となった。その結果本件究期間中帝京大学は日本原子力研究所研究炉JRR-2ならびにKURで計19回の臨床治療を行ない、京都大学で8症例、徳島大学により7症例に対する治療が行なわれた。そのたびに共同研究者が毎回10-20名集まりデータ交換を行ない研究協力を行なった。治療対象は悪性脳腫瘍患者が主体であるが、従来困難とされていた脳幹部あるいは脳深部の腫瘍に対し重水の利用および多門照射の併用によりこれら脳腫瘍に対する治療が可能となり治療成績も改善された。さらに現在治療不可能とされている巨大脳動静脈奇形3症例に対しても治療が試みられ良好な結果を得ている。また本研究期間中に1歳乳児-75歳におよびすべての年代における脳腫瘍に対する治療が行なわれ本治療法の安全性が再確認された。 本研究の代表者はInternational society for Neutron Capture Therapyの創立者ならびに事務局長でもあり、第5回国際シンポジウム(オハイオ、米国)開催に当たり事務局としてその任務を遂行し、本治療法におけるリーダーとしての任務を果たした。さらに9月より3箇月間米国オハイオ州立大学の客員教授として米国において本研究について講演を行ない研究指導を行なった。欧州では1993年度より、また米国では1994年度より臨床治療が開始される予定である。本治療法は安全性の点からも効果からも悪性脳腫瘍に対する最も優れた治療法と考えられるが、現在肝癌、骨肉腫に対する基礎研究も進んでおり、将来臨床治療が行なわれることが期待される。
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