研究課題/領域番号 |
02305004
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横山 昭 名古屋大学, 名誉教授 (50023388)
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研究分担者 |
田谷 一善 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60092491)
森 裕司 東京大学, 農学部, 助教授 (40157871)
前多 敬一郎 名古屋大学, 農学部, 講師 (30181580)
樋口 隆 福井医科大学, 医学部, 助教授 (70106326)
佐久間 康夫 弘前大学, 医学部, 教授 (70094307)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 脳 / 生殖 / 神経内分泌学 / 中枢神経系 / 環境 / 生理学 / 形態学 |
研究概要 |
本研究の目的は、生殖機能を合目的的に統合・調節する最終経路である下垂体前・後葉ホルモンの拍動的(pulse)分泌発現の機序ー発生源(pulse generator,PG)の本態とその脳内における局在を明らかにすることにある。昨年度に行った輪出入神経切断手術や、胎子脳移植の実験から、黄体形成ホルモンの拍動的放出を駆動する機構がラットでは視床下部内側基底部(MBH)に存在することが推測された。本年度は、体外に取り出したMBHを含む視床下部小片をin vitroで内頸動脈より灌流し、下垂体柄に放出されるLH放出ホルモン(LHRH)を測定し、PGのMBH内の局在を確めた。このようにして灌流された視床下部小片から、LHRHはパルス状に分泌されるのが観察された。このパルスの振幅は、発情前期、発情期において発情周期より大きい傾向が認められた。PGの局在に関し、多ニュ-ロン発火活動(MVA)をシバヤギで長期にわたり記録した。その結果弓状核においてLHパルスに先行してMVAの増加が観察された。これはPGがMBHに存在するというラットの結果とよく一致する。正中隆起に軸索を送るLHRH細胞を逆行性に同定し、その単一ニュ-ロン活動を長期にわたって記録しようと試みたが、十分な成果は得られなかった。下垂体神経葉に軸索を送る視索上核と室傍核のオキシトシン(OT)神経は、乳頭に対する連続的吸乳刺激にも拘らず間欠的に同期した活動電位の発射増加(burst)をおこす。このため、OTはパルス状に分泌される。視床下部内側核とその外側周辺に、OT細胞と同期してburst状に発火する神経細胞の存在を見出した。この細胞は視索上核へ軸索を送っているが、神経葉へは軸索を延ばしていない。それ故、この細胞は、乳頭からの刺激を、間欠的なburst状の信号に変換するものであり、OTのパルス状分泌を促すPGであると考えられる。この神経細胞の性質を分析することにより、LHRHのPGの解明に役立つものと思われる。
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