研究課題/領域番号 |
02305007
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山内 光哉 九州大学, 教育学部, 教授 (10037038)
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研究分担者 |
園田 直子 九州帝京短期大学, 講師 (50171393)
光田 基郎 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90038480)
弓野 憲一 静岡大学, 教育学部, 助教授 (70112282)
安永 悟 久留米大学, 法学部, 助教授 (60182341)
城 仁士 神戸大学, 教育学部, 助教授 (40145214)
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キーワード | 空間概念の発達 / 線対称概念 / 文化的要因 / 行為化方略 / イメ-ジ化方略 |
研究概要 |
(1)空間概念に関する発達的研究としては、山内・青木が、幼児の線対称概念を調べ、水平軸、垂直軸に対する対称性は幼児でもかなり正答できるが、斜め軸の場合は対称性の判断が因難であることが明らかとした。さらに、青木・山内は、線対称概念と日本独自の伝統的遊びである折り紙遊びとの関係を検討し、線対称概念獲得における分化的要因の影響を検討した。その結果、折り紙が上手に折れる児童の線対称概念はそうでない児童よりも優れていることがわかった(Aoki&Yamauchi,1990)。また、城は、幼稚園年小児、年中児、年長児に図形の展開図を作成させた結果、年小児では展開図作成能力が未熟であるのに、年中児では進歩が見られ、この時期が展開図作成能力の基礎を形成するのに極めて重要な時間であることを示した。(2)空間概念獲得における諸方略の効果に関する研究としては、城が図形の展開過程を実際に手で模倣させる行為による訓練群、自分自身が箱になり身体共感的に展開を学習するイメ-ジ的訓練群、さらに展開進程を間接的に学ぶ群を設けてその訓練結果を比較した。その結果、どの群にも著しい訓練効果が見られたが、方略パタ-ンや訓練後の定着という点から見ると、身体共感的に展開を学習するイメ-ジ的訓練群がより効果的であることを示した。弓野は、大学生において5個のサイコロを用いて少なくとも1つの面が接するような立体を可能な限り作らせてその方略を分析し、全体に対して体系的にサイコロを移動させてゆくイメ-ジ的な操作が用いられていることを明かとした。(3)その他、光田は、コンピュ-タ-画面に折り紙の作成プロセスを提示して折り紙の“折る"行為を伴わなくても線対称概念が促進できるかを検討し、安永・園田・平嶋は、空間的知覚である遠近法の知覚の発達の調査を終え、目下分析中である。
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