研究分担者 |
三木 邦夫 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (10116105)
柏木 浩 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (10000853)
籏野 昌弘 東北大学, 非水研, 教授 (50006293)
阿久津 秀雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)
森島 績 京都大学, 工学部, 教授 (50026093)
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研究概要 |
本総合研究は普段は学会で顔を合わさない基礎化学や生物物理の理論家と、生化学や分光学の実験家が協力し、バイオマシンに対する新しい概念を築きあげていくことを目的としており、当初から2年間に3回の全体会議を開催する計画であった。本年はその第3回研究会を飯塚市の九州工業大学情報工学部で開催した。そこには班員以外にも関連分野の専門家を招待した。そこでの討論内容は、白血球の電子伝達系,チトクロムC_3の配位ヒスチヂンのNMRと酸化還元電位,アミノ酸人工変異ミオグロビンの構造と機能,光合成タンパクの結晶解析と反応中心IIのキノン結合部位の構造特性,タンパク質中のトリプトファンの時間分解蛍光,タンパク質の運動性とスピン緩和,チトクロムPー450の膜中での分子運動,ガンの薬剤耐性とタンパクのダイナミックス,等の実験家の研究報告と、光合成反応中心クロロフィルダイマ-のab initio MO計算,大きな共役分子の電子状態,タンパク質のモデリングと動的解析,タンパク質の共同運動,カルシウム結合タンパクの分子動力学,Ab initio Force Fieldの導出とその生体系への適用,レチナ-ル蛋白の励起状態ダイナミックス,触媒抗体開発に対する理論的アプロ-チ,等の理論家の報告があった。コンピュ-タの発達により、理論計算の対象が実にバラエティ-に富むようになったこと,また計算のモデルが現実のものに近づいてきた,等の理由により、理論家と実験家との討論がバイオマシンの分野でも非常に有益になりつつあることが明らかとなった。また会場となった九州工大における生命科学のためのネットワ-クシステムを全員で見学し、実験装置をコンピュ-タにつなぐ最先端の実例を見て強勉になった。尚、本総合研究の研究成果は別に小冊子にまとめて公表してある。
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