研究概要 |
生涯学習時代における文化映像の製作・保管・活用に関する調査研究平成2年度の研究概要としては,研究分担者を中心とする研究委員会を5回,研究協力者及び資料提供者を加えた調査研究部会を6回,合計11回の研究会をもった。今年度の研究計画としては,全体計画の立案と基礎資料の収集という2点が主たる目的であり,総合研究として行うべき内容から,幅広い領域の研究者,実務担当者より多くの意見を得ることができた。本年度のまとめとしては,まず「文化映像」という概念についての問題が検討され,概観はとらえられつつある。また各領域にわたる文化映像の実態については,すでに多くの資料が蓄積されている民俗,民俗芸能分野での状況把握がなされ,また映像記録が充分に意識されていない考古学あるいは現代文化映像分野の実態も明らかにされつつある。また研究領域の中で大きなウェイトを占める文化映像の保存・活用の実態として各地の映像ライブラリ-の現状及び問題点,視聴覚センタ-の現状及び問題点等についても全国的視野を保ちつつ実地調査あるいは個別のケ-スについての資料提供を受け,基礎的デ-タ-の充実をはかっている。文化映像製作上の基礎資料としては,特にメ-カ-,制作者サイドからの報告を受け,現状把握について研究分担者,研究協力者のほぼ共通する基礎的認識をまとめることができた。さらに前述のように非常に広領域の情報を得る必要があるところから,年度後半には,文部省,通産省,郵政省,自治省の各担当者からの有益なレクチャ-を受けることもでき,映像活用ネットワ-ク形成のための条件を整備しつつある。このようにほぼ毎月行われた定例研究会においては,上記の内容を中心に大変活発な研究,意見交換が行われ,著作権問題を含め改めて本研究の必要性を分担者,協力者,各領域において痛感するところである。
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