研究課題
総合研究(A)
本研究の目的は、留学生が大学教育を受けるために必要とされる日本語能力の内容を明らかにし、予備教育の教育内容の改善、入学試験選考の効率化、大学内での日本語教育の充実等に貢献しようとするものである。2年間に実施した調査研究は次のとおりである。1.日本語能力試験の問題点の分析多くの大学で入学選考の際受験を義務付けている日本語能力試験一級が留学生の大学での勉学・研究能力を保証しうるものかどうかについては、疑問の余地が多い。この点について、日本語教師および専門教官という2つの視点から検討を加えた。2.留学生の意識調査日本語の能力試験一級を受験し、入学を許可された留学生を対象に、この試験が彼らにどう受け止められ、入学後の学生生活にどのような影響があったかを自己査定してもらった。3.日本語能力試験一級と、大学教養課程程度のレベルを目指す留学生用教科書の語彙の比較調査入学選考の試験用語彙とその後の教養課程での教材の比較を試み、相関関係が少ないことが判明した。海外の大学入試関連語学試験調査米国で実施されているTOEFLに関する文献を検討し、学術目的の語学試験はどういうものであるべきかを検討する資料とした。5.留学生の言語生活実態調査3人の留学生に24時間の生活記録をつけてもらい、どの様な言語生活を送っているかを調査した。以上の調査結果を儀もとにして、報告書を作成した。