研究分担者 |
藤井 弘章 岡山大学, 農学部, 教授 (70033264)
河野 伊一郎 岡山大学, 工学部, 教授 (00025941)
武田 喬男 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (60022604)
光田 寧 京都大学, 防災研究所, 教授 (90027219)
村本 嘉雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027223)
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研究概要 |
1.台風の特性調査に関しては,気圧場についての客観解析を行い,中心位置,中心気圧および最大風速半径の値の決定を試みるとともに,風による被害調査を行った。その結果,台風19号は伊勢湾台風に較べるとやや弱いがその勢力は強く近畿地方では約80年に1回の再現確率であることが示された。最大瞬間風速は50m/s以上を記録したが,被害戸数は過去の同様な台風時に較べてきわめて少く,住宅を取り巻く環境変化が影響していると判断された。 2.降雨の特性調査に関しては,9月11日から20日にかけての一連の降雨のうちの大雨を,秋雨前線による山陰地方の大雨,紀伊半島から中部地方にかけてまた四国から中国にかけて帯状に伸びる地域で起った大雨,台風の接近・上陸に伴って起った山陰地方の大雨および17日から19日にかけて紀伊半島・四国などの東南斜面を中心に起った大雨に分類し,それぞれの降雨特性を,雲塊の性質,気圧分布,秋雨前線および台風の位置などとの関連によって明らかにした。 3.洪水災害の特性調査に関しては,19号関連の洪水災害を全国規模で調査し,浸水被害と河川構造物被害の分布特性を主として降雨分布との関連で明らかにした。また,地域的にみて災害が顕著であった岡山県・兵庫県および滋賀県の洪水災害を詳細に検討し,それぞれの被災形態,被災原因を明らかにし,防災対策をすすめるうえでの留意点を示した。 4.岡山県下で発生した斜面災害,ため池の決壊災害および奄美大島で発生した土石流災災についてそれぞれ現地調査を行い,被災形態を詳細に検討した。その結果,人工斜面の崩壊危険度評価の必要性,風倒木と斜面災害との関連性の検討などが今後の課題として指適されている。 5.情報伝達と住民対応に関する実態調査が行われ,情報伝達過程の評価と問題点の指適がなされた。
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