研究課題
1.最終年度である本年度は、研究活動の重点を研究成果の取りまとめにおいた。このために研究会を開催したほか、内外の生涯学習関連図書を購入・参照して研究内容の向上に努めた。2.研究代表者の所属する機関は、教育研究において国内のセンター的機能を有するから、本調査研究の特色は我が国の現状と問題を浮き彫りにすることを目的として、マクロ的視点から考察したことである。一般市民の学習需要(1)一般市民の学習需要は8割以上と高く、趣味・スポーツ・健康管理など総じて非職業的領域に強い関心を示し、生きがい追求の姿勢が顕著に見られた。(2)特定のライフ・ステージにある成人(子育て期や要介護老人を抱える主婦等)は学習経験者率が低く、ライフ・ステージの構成要素が学習の疎外要因であることを明らかにした。(3)ボランティア活動などで学習成果を活用している市民は1割5分程度と多くはないが、インセンティブ(一緒に活動する仲間、活用できる仕事や場所)があれば活用したいとする者は4割以上あり、行政等が支援すべき余地が十分あることをうかがわせた。企業(事業主・従業員)の学習需要(4)企業が高等教育機関に求める教育訓練は、短期のものはマネジメント(事業主)、生涯設計(従業員)への要請が高く、長期のものは先端的科学技術の分野であることを明らかにした。(5)従業員の望む学習支援策は、時間的配慮、経済的援助、学習成果の人事考課への反映が上位を占めた。
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