研究課題/領域番号 |
02352023
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原島 文雄 東京大学生産技術研究所, 教授 (60013116)
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研究分担者 |
藤田 博之 東京大学生産技術研究所, 第3部, 助教授 (90134642)
林 輝 東京工業大学精密工学研究所, 教授 (40016762)
中村 哲郎 豊橋科学技術大学, 第三工学系, 教授 (00126939)
江刺 正喜 東北大学, 工学部精密工学科, 教授 (20108468)
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キーワード | マイクロ運動システム / 微小機械 / マイクロマシ-ニング / マイクロマシン / マイクロメカトロニクス / マイクロアクチュエ-タ / マイクロ理工学 |
研究概要 |
本研究では、微小な機械部品と駆動装置からなるマイクロインテリジェント運動システムについて調査した。2回の全体会合と、分科会の個別会合を経て調査報告をまとめた。マイクロ運動システムの大きさの範囲は広く、現存の機械の下限、数mmのものから下が総てそれに当たる。この中の寸法の領域により、異なった考慮が要ることが分かった。例えば、数mm〜数百μmの領域では、概ね従来の機械の幾何学的な微小化の考え方で、動く機械ができそうであり、従来の機械加工を極限的に微細化することで製作が可能である。他方、数十nm以下の領域では分子の形状、構造等から形の決まる機械になるため、分子の構造を人工的に設計製作する技術や、それを組み合わせる技術を開発する必要がある。中間の0.1μmから100μmの領域では、IC製造用の微細化工技術を使って、ミクロの機械部品が作れることが示されている。この場合、多くの部品からなる複雑な機械を、組立や調整の不用なプリアセンブリ加工で一括製作したり、機械部品やアクチュエ-タに、センサや情報処理回路を集積化して、マイクロ運動システムを知能化したりできる可能性のあることが分かった。 しかし、これらの小さな機械では、作り方も、駆動の原理も、動きも寸法により全く変わってしまうため、これまで道具として使ってきた理工学の理論を総て微小領域の場合につき検討し、体系化して行く必要がある。更に、材料、機構、製作方法の多様化に対しても、従来の機械工学の範囲を越えた利用できる全ての理工学分野の微小領域の検討、体系化が必要である。これらの課題について、現在までに明らかにされた成果と、今後のさらに研究が必要である点を明らかにした。
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