研究課題
東京芸術大学所蔵エンブレム本(総冊数、78冊、総頁数約27.000頁)の光ディスクへの入力は、この3月に予定どおり完了した。残る作業として続行中なのは、キ-ワ-ドの入力であり、これは、当該研究の最終手度である平成4年度中に完了の予定である。このばあい、全巻のテキストを読了しなければ完璧なものにはならないわけだが、キ-ワ-ドをどの程度の数、どのような言語形体で入力するかは、使用中の設備ヒットファイルそのものの機能と、利用者の姿勢とに関連するため、最善の方式を選ぶべく、使用マニュアルの制作と並行して、現在試行中である。テストケ-スをいくつか実施し、方式が決まり次第、キ-ワ-ド入力の作業を本格的かつ集中的に行うことになる。まずは、エンブレムの画像そのものに表わされている図像、そして、その図像の背後に隠されていて、そのテキストまたはエピグラムを読まなければ判明しない意味もまた、キ-ワ-ドの対象となりうるが、作業は、確実性と実用性の両面を奪重して、前者すなわち、画像そのものに表わされている具体的事物の名称を優先して入力することにし、これを作業の第一段階とする。第二段階で、テキスト講読の進行とあわせて一隠された意味(図像外の象徴的意味)を、最少限に入力することにする。キ-ワ-ドは、飽くまで、研究者にとっての〈とっかかり〉にとどめ、必ずしも〈研究成果〉として固定することはしないという方策である。同時に、この研究を、単なるデ-タ・ベ-スの作成に終らせないために、ある程度のキ-ワ-ドの入力の進行を見合わせながら、独自の研究成果のために、論文の執筆に向けて研究会の内容を率いてゆくことを今後の課題としている。
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