研究課題/領域番号 |
02401006
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
百瀬 今朝雄 立正大学, 文学部, 教授 (30013254)
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研究分担者 |
小山田 和夫 立正大学, 文学部, 講師 (90147934)
北村 行遠 立正大学, 文学部, 助教授 (30103170)
坂誥 秀一 立正大学, 文学部, 教授 (80062818)
中尾 尭 立正大学, 文学部, 教授 (70070521)
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キーワード | 寺院宝物帳 / 京都日蓮宗諸寺院 / 曼茶羅 / 寺院文書 / 妙顕寺 / 本圀寺 / 法華系典籍 / 墓塔 |
研究概要 |
本研究の基本的な方針は、法華系史料を具体的に操作することが根本であるから、古文書や典籍の実地における採訪に重点を置いた。この際特に法華系の史料が数多く伝わる京都日蓮宗諸寺院を採訪し、その宝物の全体的な整理と目録作りを進め、伝統を生かしながらも新しい視野に立つ寺宝目録を作成した。その具体例は次のとおりである。 1)妙顕寺京都における日蓮宗の最古刹で、日蓮以下累世の諸僧による曼茶羅や古文書などをはじめ、朝廷・幕府関係のものが数多く伝わっている。これらは近来の寺院の疲幣のため、混乱したままで宝蔵に収められているため、改めて目録を採りなおし、中世の宝物帳を勘案した上で、新しい宝物帳を作成した。また、これらを保存するための方法を考案し、実験的に全宝物にこれを施した。これらの作業は来年も続け、寺院文書の全体像を把握するとともに、古文書整理作業の一つのタイプを定立しようとする。 2)本圀寺・本満寺・要法寺・立本寺などかつて京都十六本山として栄えた諸寺を実地踏査し、妙顕寺におけると同様な方針で宝物の整理を行いつつある。また、寺院にとって無視することのできない墓塔の実地調査は目下進行中であるし、日蓮宗を特徴づける日蓮木像の悉皆調査も日程に入れている。 3)法華系の典籍についても、関連史料集など書籍を入手し、実地のデ-タと照応させながら、体系的把握のための作業を進めている。この点については、日蓮宗以外の研究者からの指導と助言が必要であるため、意見の交換を目的とした研究打ち合わせ会を開催した。 以上のように、極めて短期間ではあったが、豊かな研究成果をあげることができ、来年度の総括に向けての確実な基礎作業を完成したことは、大きな収穫であった。
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