| 研究課題/領域番号 |
02401008
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
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研究代表者 |
森 正夫 名古屋大学, 文学部, 教授 (00036641)
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| 研究分担者 |
黒田 明伸 名古屋大学, 教養部, 助教授 (70186542)
伊藤 宏明 名古屋大学, 文学部, 助手 (60135275)
江村 治樹 名古屋大学, 文学部, 助教授 (80093201)
重松 伸司 名古屋大学, 文学部, 教授 (20109242)
石原 潤 名古屋大学, 文学部, 教授 (70080265)
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| キーワード | 地域社会 / 清代四川移住民社会 / 同郷結合 / 同族結合 / 移民社会 / 近代化・現代化 / 江南デルタ / 市鎮 |
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| 研究概要 |
本年度も、昨年度と同様、旧中国における地域社会の特質について、(1)中国の各時代・地域における個別事象、(2)近代における中国とインド村落・マレ-シア移民社会との比較、という二つの角度から代表者・分担者各自による研究を進め、三回の共同研究会をもった。本年度の研究会では、とくに地域社会研究に従事する若手の中で最もめざましい成果を挙げている山田賢氏の清代四川移住民社会に関する主要な業績をとりあげ、各自の専門に即して意見交換を行い、うち1回は山田氏を招いて共同討論を行った。そこではとくに、地域社会形成過程の一種のモデルとしてのこの移住民社会において、a.地緑的な同郷結合→b.血縁的な同族結合→c.同族結合を基盤とした安定した地域社会の構築という展開が見られるという山田氏のシェ-マの有効性と限界について論議が集中した。また、同族結合を基盤とする地域社会間の両極分化の可能性、地域社会形成における経済地理学的契機導入の必要性などについて重要な意見交換があった。これを通じて中国古代の都市における社会結合、近世の城市・市鎮における士人層の統合作用、清一近代における貨幣の地域内流通・地域間流通という昨年解明した三つの課題に加え、新たに三つが提示された。地域社会の形成と維持における同族結合の意義、地域社会相互の関係、地域社会存立の経済的基盤である。これらの新たな課題発掘は、本研究の特色の一つである中国とインド・マレ-シアとの比較にとっても貴重な示唆を与えるものである。本年度までの作業によって旧中国の地域社会の歴史的特質と近代化・現代化への影響の解明に必要な課題はほぼ提示することができた。来年度の本格的討論集会の準備は完了したといえる。なお、また、代表者・分担者は関連主題である中国江南デルタの市鎮に関するシンポジウム(第2回)を実施した。
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