研究課題
当該年度の計画・方法にもとづいて以下の如き調査研究を実施した。1.文献資料部所蔵の書誌調査カ-ドを参考にして、当該研究課題にふさわしい資料を所蔵する文庫の選定を行なった。その結果20数件の文庫名が候補としてあがったが、現段階において比較的調査デ-タの整っていると判断された宮内庁書陵部と陽明文庫の2つの文庫を対象とすることに決定した。その決定にしたがって奥書の抽出・集成作業を進めるための「執筆要領」を作成し、あわせて「デ-タカ-ド」(調査カ-ド)の設計を行なった。2.上記1.にもとづき若干の奥書の抽出と集成作業を実施し、問題点を討議するとともに、「執筆要領」の改訂と「デ-タカ-ド」の設計変更を行なった。ついで作業の役割分担を決め、奥書抽出の作業にとりかかった。3.集積デ-タの一部をカセットファイルに格納しつつ、パ-ソナルコンピュ-タへの入力を試行し、来年度以降に本格化するデ-タ入力に備えた。また、今回予定していた外注による入力作業は見送ることとし、今後もできる限り研究分担者によってその種の入力作業を進めることに計画変更した。4.宮内庁書陵部・陽明文庫の各所蔵本とは別に、既刊・未刊の図書目録(善本解題等)から奥書部分を抽出し、それをカ-ド化して整理することによって、各時代・各ジャンルごとの伝本研究の現状を探り、今後の研究の参考資料とした。さらにその成果を「執筆要領」作成と「デ-タカ-ド」設計時に活用した。5.如上の作業を通じて、実際に原本について確認の必要が生じたものについては、各研究分担者の責任において、所蔵者(文庫・図書館等)のもとを訪れ、調査・収集を実施した。