研究課題/領域番号 |
02401013
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
水之江 有一 千葉大学, 文学部, 教授 (90009598)
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研究分担者 |
西村 靖敬 千葉大学, 文学部, 助教授 (00156118)
南塚 信吾 千葉大学, 文学部, 教授 (50055315)
加藤 定秀 千葉大学, 文学部, 教授 (80008953)
前田 彰一 千葉大学, 文学部, 教授 (70023596)
倉智 恒夫 千葉大学, 文学部, 教授 (20062614)
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キーワード | 祭儀 / 民衆文化 / 祭り / 仮面 / 儀式 / 風習 / 暦 / 神話 |
研究概要 |
文学や芸術に対する研究法や理論が多様化し細分化していくなかで、作品の原点に立ちもどろうとする試みを意図した。それは民族の文化的集合体を基盤に据えて、彼らが意図するあるいは内包する意識的かつ無意識的な「文化空間」の把握に向かい、その解明から出発しようとするものである。その際に日常性と非日常性の区別を考え、その接点としての祭儀、あるいは祝祭と儀式、神話、民話、暦と年中行事、風習などを含めた民衆文化に注目する。それを通して「日常空間」から「非日常空間」へ移行する意識の過程に視点を据え、所謂「文学活動」あるいは「芸術活動」をその過程を通して考えようとする。それというのも、民衆の祝祭や神への信仰形態と日常性のなかに民衆の文化が集約され、凝縮され、内面の表現形態となって顕在化するからである。例えば、仮面を考えてもると、祝祭や祭儀に用いられた仮面がやがて芸術上の仮面となって鑑賞者のまえに姿を現わすと考えられる。この仮面こそ芸術そのものの表象とみなすとき、その芸術空間の背後にある民衆文化の層が問題になり、それを身につけて舞う人びとの民族性、あるいは彼らの日常性が問題にされると考え、それらのうえに仮面の意義やその表現様式が形成されている。文字の仮面として文学を把えた場合、テクストな作家個人の仮面であると同時に、作家を包む民族固有の仮面でもあり、そして背後には民衆文化の層が存在するからである。このような視点と手法に基づき、「祭りのディスク-ル」を築きあげようとする。第一部は「民衆の祭りと声」に焦点をあて、日本の能や沖縄の琉球文化からアイルランド、ハンガリ-、ユ-ゴスラヴィアなどヨ-ロッパの民衆文化に視野を広げる。第二部は仮面に注目する。具体的に仮面を用いた芸術をとりあげ、その実像を解明する。第三部はベルギ-象徴iwの画家アンソ-ルを扱う。そして第四部は死に直面したベルファ-ストの詩人を扱った。
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