研究概要 |
本年度の研究は,次の三つの方向で行われた。 1.平成2年度においては,東洋経済新報社の「海外進出企業」デ-タバンクを中心に,ビジネス・プロモ-ション・センタ-(ロスアンゼルス市)のデ-タベ-スおよびDIALOG社のデ-タベ-スで補完する作業を行って,アメリカにおける日系企業の経済活動の総体的把握に努めた。本年度は,対米進出企業を最も重要な自動車関連,電気機器関連および金融業関連の業種に分けて,それぞれの業種についてデ-タを整理し,経済活動の動向を分析した。さらに,アメリカの州別,地域別の日系企業の業種別の進出状況の分析も試みた。 2.ヨ-ロッパ諸国への日系企業の進出についても,DIALOG社のデ-タベ-スが最も有用なデ-タベ-スであることが分ったが,それが企業数,業種については,どれだけカバ-しているかについて検討する必要がある。そこで,さしあたっては,東洋経済新報社のデ-タ,通産省の「海外進出基本調査」等を併用して,個別の企業(あるいは企業群)または業種についての情報を分析することにした。本年度はとくに,早くからヨ-ロッパ諸国へ進出しているニッサンをとりあげ,その経済活動についての各種のデ-タをDIALOG社のデ-タベ-スで補い,現状の把握とその特徴の分析を行った。 3.DIALOG社のデ-タベ-スを中心とする各種のデ-タベ-スの有用性を相対的に評価するために,日系企業の対外進出に関する各種の文献を収集した。企業デ-タベ-スを利用することによって,日系企業の対外進出に関する従来の分析が,どれだけ具体化するかを確めることが,ここでの研究の目的である。しかし,この作業はまだ不十分であり,来年度においても,引続いて分析を行う予定である。
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