研究課題/領域番号 |
02402004
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野崎 光昭 東京大学, 理学部, 助手 (10156193)
|
研究分担者 |
井森 正敏 東京大学, 理学部, 助手 (70011690)
山本 明 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (30113418)
|
キーワード | 宇宙起源反粒子 / ガンマ線点源 / 気球搭載測定器 / 超伝導スペクトロメ-タ |
研究概要 |
宇宙起源反粒子の探索及びGeVガンマ線の観測等を目的とした気球搭載超伝導スペクトロメ-タによる宇宙線観測実験を東京大学、高エネルギ-物理学研究所、宇宙科学研究所の共同で進めている。測定器は超伝導ソレノイド、飛跡検出器としてジェットチェンバ-及び6層のドリフトチェンバ-、TOFカウンタ-で構成される。 本年度はイベントデ-タの圧縮、高速記録のための回路及びソフトウェアを開発した。 まずFADCを用いたジェットチェンバ-用読みだし回路の生デ-タのうち、あるしきい値を越えたものだけを抜き出し、次に時間的に連続したデ-タをクラスタ-として認識し、さらに各クラスタ-についてそのタイミング、総電荷量、パルスの幅という3つの情報に圧縮するための回路を製作した。これにより、各ワイヤ-につき512バイトあるFADCの生デ-タを10バイト程度まで圧縮することができた。 デ-タの処理速度を上げるために、これまで1つのプロセッサで行なっていたデ-タ収集とテ-プへの書き込みを2だいのプロセッサに機能を分散させ、それらの間で高速にデ-タを転送することで、処理能力を向上させた。 また、高エネルギ-物理学研究所において、測定器のビ-ムテストを行なった。実験結果詳細はは現在解析中であるが、予備的な解析の結果、TOFカウンタ-については1テスラの磁場中で200ピコ秒程度の時間分解能を得ることができた。ジェットチェンバ-のドリフト方向の位置分解能は200ミクロン程度、電荷分割法によるワイヤ-方向の位置分解能は2cm程度を達成した。またドリフトチェンバ-のバ-ニアカソ-ドによるワイヤ-方向の位置分海能は2mm以下で、いずれも宇宙起源反粒子の探索、ガンマ線の観測に十分な性能を持つことが確かめられた。 超伝導ソレノイドを励磁して磁場中での種々のエレクトロニクス、電源回路等の動作を調べ、影響を受けないことが確かめられた。
|