研究課題/領域番号 |
02402005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石原 正泰 東京大学, 理学部, 教授 (40013396)
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研究分担者 |
本林 透 立教大学, 理学部, 助教授 (20116114)
佐川 弘幸 東京大学, 理学部, 助手 (50178589)
久保野 茂 東京大学, 原子核研究所, 助手 (20126048)
下浦 享 東京大学, 理学部, 助手 (10170995)
酒井 英行 東京大学, 理学部, 助教授 (90030030)
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キーワード | 中性子過剰核 / 不安定核反応 / 中性子ハロ- / 相関測定 / 不変質量 / 角度相関 / 多中性子測定 / 巨大共鳴 |
研究概要 |
前年度に制作した中性子検出用ホドスコ-プの性能テストを宇宙線を用いて行い、スル-補正(時間情報と波高の相関の補正)を行うことにより、位置分解能1.5cm、時間分解能1ns以下の性能を得た。 理化学研究所リングサイクロトロン施設の2次ビ-ムラインRIPSで生成分離された核子あたり45MeVの ^<11>Liビ-ムを用いて、 ^<11>Li+Pb→ ^9Li+2n+X反応の測定を行った。この反応で生成された ^9Liは薄いプラスチックシンチレ-タ、MWPCおよび中性子用ホドスコ-プの1面目で検出され、粒子が通過した位置、△E、E、TOFの情報から粒子識別および運動量を求めた。中性子に関しては、ヒットしたホドスコ-プのセグメント、左右の信号の時間差、TOFから運動量が得られた。1つの中性子が複数の検出器をヒットするクロスト-クは異なるホドスコ-プ間の時間差および位置の情報を用いて観測さた。実際の解析では下流の検出器の信号が上流の信号より早い事象だけを用いて行った。測定した3つの粒子の不変質量を計算しそこから ^<11>Li核の励起スペクトルが得られ、励起エネルギ-1MeV付近にソフトE1モ-ドに対応するピ-クを得た。さらに、 ^9Liと同時測定された2中性子間の相対エネルギ-スペクトルも得られ、それが非常に低いエネルギ-(約50keV程度)に狭いピ-クを観測した。このピ-クはもとの ^<11>Li^*の中の2中性子が非常に強く相関していることを示唆している。 これら新しい実験結果に基づく中性子過剰核の構造・反応に関する理論計算も進行中である。
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