研究課題/領域番号 |
02402006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 作衛 東京大学, 原子核研究所, 教授 (70011658)
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研究分担者 |
浜津 良輔 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20087092)
久世 正弘 東京大学 原子核研究所, 助手 (00225153)
徳宿 克夫 東京大学 原子核研究所, 助手 (80207547)
石井 孝信 東京大学 原子核研究所, 助手 (90134650)
奥野 英城 東京大学 原子核研究所, 助教授 (10013400)
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キーワード | 電子・陽子衝突 / HERA / 未知の相互作用 / レプトクォーク / 深非弾性散乱 |
研究概要 |
今年度は、ビーム衝突によるデータ取得を行い、レプトクォークの探索など未知の相互作用を探る解析を行った。 1)昨年度までに測定器の衝突領域への移動と、宇宙線によるデータ取得系の試験を完了しており、5月からの衝突装置HERAの調整を機会に、一部の時間を用いて夏までに最初のデータ取得運転が行われた。 2)そのデータを用いてバックグランドの判別方法が検討され、カロリーメーター等の時間情報により分離できることが分かった。深非弾性散乱の観測と、重心系エネルギー210GeVでの陽子とQ^20のガンマ線の全断面積測定を行った。従来20GeV程度まで測定されていたが、この測定で測定範囲が十倍に拡大し、陽子の光反応に関する新しい知見が得られた。 3)夏の運転休止期間に加速器の改良がなされた後、9月から11月にかけて、2回目のデータ取得運転で約10倍のデータが取得された。このデータを用いてさらに詳しい深非弾性散乱の解析を行い、レプトクォークの探索を行なった。従行のLEPやFNALでの実験と違って、HERAでは直接的な観測ができる。このデータではレプトクォーク生成の信号はみられず、スカラー粒子の場合、質量の限度が170GeV程度以上であることが分かった。この限度は、値もこれまでのものを上回っている。 4)こうした解析のために、ワークステーションと磁気記録装置が設置され、反応の図形表示、シミュレーションを含む解析用ソフトウェアが整備された。データ処理は順調に行われ、上記の結果を得た。
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